2013年09月09日-09月13日
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北斗衛星測位システム 車両に「中国製チップ」を提供

2013年09月11日

 北斗衛星測位システム(BDS)は中国が独自に開発した全地球測位衛星・通信システムで、世界で3番目の成熟した衛星測位システムだ。その目標は、独立した、開放的で互換性のある、技術が先進的な、安定的で信頼性の高い世界をカバーする衛星測位システムの構築だ。「まず地域、次に世界」という「3ステップ」発展戦略に基づき、北斗システムは現在3ステップ目の戦略を実施中だ。計画では、北斗システムは2020年までに35基の衛星を打ち上げる必要がある。これは5基の静止衛星と30基の非静止衛星からなり、世界に高精度・高信頼性の測位・ナビゲーション・時報サービスを提供する。人民日報海外版が伝えた。

 GPSと比較した場合、北斗システムを導入した端末は、ナビゲーションにリンクしたショートメールサービスにも対応している、通信機能が強化されたなどのメリットを持つ。全天候型の高速測位、非常に限られた通信不能エリア、精度といった面ではGPSと肩を並べる。パッシブ型測位・ナビゲーション・時報などのサービスを提供する際に、利用者数には制限がなく、GPSとも互換性を持つ。さらに、利用者は自身の現在地を把握し、それを相手に伝えることが可能だ。GPSはナビゲーションを提供するが、通信が不可能だ。携帯電話の電波がない場合、GPSは外界との連絡を維持できない。一方、北斗端末でショートメール機能を利用すれば、屋外でアクシデントが発生した場合も、外界とスムーズに連絡をとることができる。

 北斗システムはすでにマッピング、電気通信、水利、漁業、交通運輸、森林の防災、減災・災害救助、公共安全などのさまざまな分野で活用されており、大きな経済・社会効果を生み出している。

 北斗システムは2012年12月27日より、アジア太平洋の多くの地域に対して、正式に地域サービスの提供を開始した。測位の誤差は水平・垂直方向10メートル、速度の計測精度は毎秒0.2メートル、時報の精度は一方向50ナノ秒で、同時に双方向の高精度時報とショートメール通信サービスを提供できる。

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