2013年09月16日-09月20日
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IAEA総会が開幕 福島原発の汚染水問題が焦点に

2013年09月17日

 第57回国際原子力機関(IAEA)総会が16日にオーストリアのウィーンで開幕した。日本の原発放射能汚染水漏出などの問題が、今回の総会の焦点となる。中国新聞社が伝えた。

 山本一太科学技術担当相は同日、東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏出問題について発言し、「汚染水の影響は原発の港湾内でコントロールされている」、「港湾の外側の海水に含まれる放射性物質の量に、大幅な増加は見られない」と述べた。

 しかし東電の山下和彦フェローは、福島第一原発の汚染水漏出が「コントロールされていない」ことを認めた。共同通信社は、「これは安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)総会で、汚染水漏出がすでにコントロールされているとした発言を否定しており、波乱を巻き起こしている」と伝えた。

 日本メディアは、福島第一原発は16日に台風の影響で、汚水タンク周囲の水を放出したと伝えた。東電が「人為的に堤防内の水を放出」するのはこれが初めてだ。東電は、中にたまった雨水の放射性物質の濃度が、海洋排出基準を下回っていると判断し、海に直接放出した。

 中国国家原子能機構(CAEA)の馬興瑞主任は、16日のIAEA総会における発言の中で、福島原発の汚染水漏出事件に対する中国の関心を再度示した。

 IAEAの天野之弥事務局長は16日の総会のスピーチで、「IAEAは日本を支援し、原発の関連問題の解決策を模索する。今年秋に日本に引き続き調査チームを派遣し、汚染水問題について日本側に多くの提案を行う」と表明した。

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