2013年10月01日-10月04日
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携帯電話の電磁波 発がんのリスクは?

2013年10月08日

 携帯電話の電磁波は人体にどれほどの危害を加えるのだろうか。携帯電話のみならず、電磁波は日常生活の中で散見している。そこから生み出される危害は人々が想像しているほど深刻ではなく、むしろ適度な電磁波は人々の健康を促進すると言える。光明日報が伝えた。
 最新の統計データによると、中国の携帯電話利用者数は10億人弱に達している。携帯電話の電磁波の危害が近年人々の注目を集めており、多くの関連情報がメディアによって伝えられている。しかし国内外の関連記事を閲読したところ、携帯電話の電磁波の危害は、現時点では「可能性がある」のレベルに留まっている。例えば2009年にはスウェーデンや欧州諸国の科学者が研究により、携帯電話を10年以上使用することで脳がんや口腔がんにかかる危険性が高まるとした。
 これは携帯電話の電磁波ががんの原因になるということではない。本紙の取材では、多くの専門家が「携帯電話とがんの間には、現時点では必然的なつながりが見つかっていない」と表明した。
 しかし携帯電話の過度な使用は人体、特に未成年者にとって有害であるとされている。一部の国の政府はこれに関する健康問題の警告を発している。韓国は電磁波のレベルを明確に表記するよう求めており、フランスの衛生局も2010年に電子製品を販売するメーカーに対して、すべての販売店で携帯電話の電磁波のレベルを発表するよう求めた。
 しかし携帯電話のみならず、電力を使用するすべての家電が電磁波を発生させる。これにはエアコン、テレビ、パソコン、電子レンジ、加湿器、ドライヤー、充電器、さらには延長コードが含まれる。
 中国も電磁波に対して安全基準を設けている。中国の「電磁波防護規定」(GB8702-88)は、人々の電磁波の比吸収率(SAR:人体が電波にさらされることにより、単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量)を1日0.02W/kg以下と設定しており、世界基準と一致する。
 北京の携帯電話市場を取材したところ、メーカーにより電磁波の量に差があったが、大多数の携帯電話のSARは国の定める安全基準の範囲内であった。
 中国電力科学研究院の高級エンジニアのキョウ蘯雄氏は、「世界保健機関(WHO)は60数カ国および多くの国際組織を率い、1996年より国際電磁界プロジェクトを10年間実施し、暮らしにおける電磁波に対して全面的な健康リスクの評価を行った。WHOの専門家チームは最終的に、人々が通常受ける電磁波に、実際の健康問題は存在しないと結論づけた」と説明した。
 第三軍医大学の医学専門家は、「磁場の強度が規定範囲内に収められていれば、電磁波は人体にプラスの作用をもたらす。例えば市場で流通している治療器は電磁波の温熱効果を利用し、炎症の治療目的を実現している。電磁波を国家の安全基準範囲内に抑えることが重要だ」と指摘した。

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