2013年10月21日-10月25日
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情報関連消費の促進 モバイルインターネットが原動力に

2013年10月31日

 モバイルインターネットに関する一連の規定、および情報関連消費を奨励する政策が近頃相次いで発表されている。中国は情報関連消費の促進、経済のモデルチェンジ・アップグレードの推進を積極的に研究中だ。情報関連消費の促進は、経済政策の取り組み内容の一つとなっている。情報関連消費の中で最も活況を呈しているモバイルインターネットは、新たな発展のチャンスを迎えている。人民日報が伝えた。
◆マクロ政策が奏功、「軽型産業」環境が形成
 中国のモバイルインターネットは現在すでに高度発展段階に入っており、産業規模が脅威的なペースで拡大を続けており、多大な貢献を実現している。データによると、2013年上半期の中国3G利用者数は前年同期比81%増の3億2000万人、モバイルインターネット利用者数は約8億人、スマートフォン出荷台数は約2億1400万台に達し、同期の記録を更新した。中国の2012年のモバイルインターネット関連産業の収入は9000億元を上回り、各種アプリのダウンロード件数は米国に次ぐ世界2位となった。
 これと同時に、国家の一連の支援・管理政策が発表された。中国国務院は今年8月14日、「情報関連消費の促進による内需拡大に関する若干の意見」を発表し、モバイルインターネットなどの産業の育成を、「安定成長・構造調整・国民の実益」の実現に向けた重要な手段とした。中国国務院はその3日後に「ブロードバンド中国戦略」を発表し、ブロードバンドを初めて「経済社会発展の戦略的公共インフラ」として明確に位置づけた。
 中国工業情報化部(省)電信研究院の余暁暉チーフエンジニアは、「モバイルインターネットが国家戦略、2020年ブロードバンド中国の目標の一つとされたことで、その発展が力強く促進される」と語った。
 余氏は今後の発展について、「経営環境の角度から見ると、軽型産業環境が形成されつつある。UCブラウザに基づくネット環境にせよ、微信(WeChat、中国版LINE)のプラットフォームにせよ、百度の軽応用(ライトアプリ)という概念にせよ、いずれも垂直一体化を基礎とする産業環境の新たな変革だ。モバイル機器の角度から見ると、今年のスマートフォンの出荷台数はパソコンの3倍に達している。中国の端末メーカーは生産能力の優位からブランド力の優位に拡張しており、マルチスクリーンおよびウェアラブルデバイスが未来の発展方向となるだろう」と予想した。
 推算によると、2012年のモバイルインターネットの直接情報関連消費額は6300億元に達した。2020年にはこの数字が2兆元を超え、対GDP比が1.72%に達するという、楽観的な見方もある。
◆モバイルゲーム、成熟したビジネスモデルを形成
 モバイルゲームは、モバイルインターネット業界で最も早く成熟したビジネスモデルを形成した分野であり、近年すでにネット文化の発展における中堅的な力となっている。
 中国文化部(文化省)の近年のオンラインゲーム市場に関する年間報告書によると、2012年のモバイルゲームの市場規模は前年比68%増の65億1000万元に達し、インターネットゲーム市場全体に占める比率が10%に達した。そのうちモバイルオンラインゲーム市場の規模は、前年比121.5%増の17億5000万元に達した。
◆モバイル産業の安全 マルウェアが猛威を振るう
 中国国家インターネット応急センター(CNCERT)のデータによると、昨年の中国モバイルインターネットにおけるマルウェアの数は前年比25倍増の16万となり、それまでの合計の数倍に達した。工業情報化部電信研究院安全所泰爾端末実験室情報安全部の潘娟氏は、「技術の進歩によりユーザーエクスペリエンスは向上したが、一方でウイルス感染に利便性をもたらした」と指摘した。
 規則の制定に関しては、工業情報化部がすでに「モバイルスマート端末のネット接続の管理強化に関する通知」を発表しており、11月1日より施行される。その中で、生産企業がモバイルスマート端末にプリインストールできないアプリ・ソフトが明記されている。これにはユーザーに明確に伝えておらず、ユーザーからの同意を得ていないにも関わらず、個人情報を恣意的に収集・変更するものや、端末の通信機能を恣意的に利用し、データ通信量の消耗・費用の損失・情報漏えいなどの結果をもたらすものが含まれる。
 業界内の取り組みも始まっている。CNCERTは携帯マルウェアが氾濫している現状を受け、モバイルインターネット向けマルウェアのブラックリストや、モバイルインターネット用の健全なアプリに関するリストを作成中で、近日中に発表を予定している。

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