2013年11月11日-11月15日
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中国初の国家気候変動適応戦略が発表、今後の業務方針を制定

2013年11月19日

 中国政府は18日、ワルシャワで開かれている国連気候変動枠組み会議で、「国家気候変動適応戦略」(以下、「同戦略」)を発表した。中国新聞網が伝えた。
 同会議の中国代表団団長、中国国家発展改革委員会(発改委)副主任の解振華氏は、「これは中国初の気候変動適応に関する戦略プランであり(「適応」とは、人類の活動を強化・調整し、有利な要素を十分に活用することで、自然環境および社会経済システムに対する気候変動の不利な影響を軽減することを指す)、国家の気候変動適応の総合能力の強化にとって重大な意義を持つ」と指摘した。
 中国は人口が多く、気候条件が複雑で、自然環境が全体的に脆弱だ。気候変動は中国の食糧・水資源・環境・エネルギー・都市運行・国民の生産および財産の安全にとって、深刻な脅威となっている。
 同戦略によると、1990年代より、中国の異常気象による直接的な経済損失は毎年2000億元以上に達しており、2000人以上が命を落としている。中国の気候変動適応の任務は山積しているが、社会全体の気候変動適応に関する意識と能力が充分でない。
 同戦略は気候変動が現在・未来の中国に及ぼす影響を十分に分析した上で、国家気候変動適応業務の指導思想・原則を明記し、適応目標・重点任務・地域構造・保障措置を定め、適応業務の統一的な協調・実施に指導を提供した。
 同戦略は2020年までの中国の気候変動適応の三大目標を、「適応能力を大幅に強化」、「重点任務を全面的に徹底」、「適応の地域構造の基本的な形成」とした。
 同戦略は各地方と部門に対して、現行の政策と制度を調整・改善し、適応に向けた行動を保障する体制・メカニズム、資金源、技術支援、国際協力を形成するよう求めた。
 同戦略は発改委、中国財政部(財務省)、中国農業部(農業省)、中国気象局、中国林業局など9部門の、2年余りに渡る共同編集を経てまとめられた。
 最新の科学研究報告によると、1880-2012年の間に、世界の陸地および海面の平均温度が0.85度上昇した。気候変動が異常気象の頻発を招き、流氷と積雪の融解を加速し、水資源の分布のバランスを乱し、自然環境を脅かしている。気候変動はさらに海面の上昇を招き、沿岸部が深刻な洪水・防風などの自然災害の影響を受けやすくなる。

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