2013年12月02日-12月06日
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専門家:中国の煙霧は10-20年続く可能性

2013年12月06日

 中央気象台が5日午後に微博(ウェイボー・ミニブログ)の公式アカウントで発表した全国大気汚染気象条件予報図では、江蘇省、浙江省、河北省一帯が赤く塗られ、うち江蘇省南部は赤褐色だった。これは汚染物質が停滞しやすい最悪の気象条件を指す。予報図の通り、冬に入って最も広範囲の煙霧が中国南西部、江蘇省、安徽省などに現在停滞している。新京報が伝えた。

 江蘇省、上海市、浙江省北部、安徽省東部は5日も煙霧が依然深刻で、すでに4日間大気汚染が続いた。中国気象局の統計によると、現在までに全国の平均煙霧日数は1961年以降最多の4.7日間に上った。
 中央気象台の何立富・首席予報官によると、今回の煙霧は華北以外に華東全体にも影響が及んでおり、冬に入って以来最大範囲の中-重度煙霧といえる。持続時間が長いのも際立った特徴だ。
 専門家は8-11日に強い寒気が西から東へ移動することで、9日朝には中東部の煙霧は消えると予測する。
 ■広範囲の煙霧の原因は外地と現地の汚染物質
 江蘇省環境保護庁の劉建琳チーフエンジニアは、江蘇省の汚染物質排出源として工業(特に鉄鋼、セメントなど排出量の多い企業)、交通(自動車の排ガスを含む)、都市建設の3つを挙げた。
 浙江省環境監視測定センターの田旭東博士によると、今回の煙霧は様々な要因が同時に作用した結果だ。北方の汚染物質が南方へ移動したことによる影響もあれば、現地の汚染物質が増加し続けていることもある。だがどの影響がより大きいのかを判断するのは難しく、時期によっても汚染物質の種類によっても状況は異なる。
 ■煙霧は10-20年続く可能性
 環境保護部(環境保護省)の専門家、彭応登氏によると中国は煙霧の頻発期に入る。「現在中国は先進国の20-30年前の状況を経験しており、都市化の推進と不合理な都市配置によって地域的な煙霧が頻発する。都市の汚染対策を抜本的に変えず、都市化の過程で都市間の相互影響に注意を払わず、汚染物質の希釈・拡散構造を考慮しなければ、この状況は少なくともさらに10-20年続くだろう」。彭氏は汚染物質を希釈・拡散させるために緩衝空間を設けることを提案した。
 ■北京への影響がなかったのは寒気が汚染物質を吹き払ったため
 今回の広範囲の煙霧による影響を北京が受けなかったのはなぜか。北京の大気は1日以降、基本的に「良好」から「軽度汚染」の間にあるが、4日は全市が「中度汚染」、南部が「重度汚染」となった。
 北京市気象台の周小平シニアエンジニアによると、最近北京ではほぼ1-2日置きに寒気が活発化している。寒気の影響で北風が強いため、汚染物質が停滞せずに吹き払われやすい。
 専門家によると今週土曜日には北京でも煙霧が観測されるが、余り長くは続かず、日曜日には寒気によって吹き払われるという。

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