中国科学技術界、2013年十大事件を振り返る

2013年 12月17日

 2013年も残すところあとわずかとなった。この1年間に、中国の科学技術界ではどのような重大な出来事があり、国家の経済・社会の発展、国民生活に対してどのような積極的な影響をもたらしたのだろうか。2013年の十大科学技術事件を振り返っていこう。新華網が伝えた。
 ◆1位:嫦娥3号の打ち上げ、月探査をスタート 影響:中国初の地球外天体における軟着陸
 月探査中の嫦娥3号の着陸機・月面ローバーが、12月15日夜に相互撮影を実施し、任務を成功させた。今後数日間に渡り科学探査を続けると同時に、月面ローバー「玉兎号」が着陸機を巡り走行を続け、異なる角度から着陸機を撮影する。
 月探査機・嫦娥3号は12月2日1時30分に西昌衛星発射センターから打ち上げられ、中国の宇宙事業が新たな段階に入った。
 ◆2位:4Gの登場、4G営業許可証が発行 影響:中国通信業界が新時代に
 中国工業情報化部(省)は12月4日、中国移動・中国電信・中国聯通の3大通信事業者に、「LTE/TD-LTE」の営業許可証を発行した。これは中国通信業界が4G時代に入ったことを意味する。4Gの通常の最高下り速度は80Mbps以上、3Gの10倍以上に達する。
 ◆3位:中国国務院が「情報関連消費による内需拡大の促進に関する若干の意見」を発表 
影響:国民の消費がグレードアップ、経済成長をけん引
 中国国務院は8月、「情報関連消費による内需拡大の促進に関する若干の意見」を発表した。中国は現在、国民消費のグレードアップ、工業化、情報化、新型都市化、農業現代化を同時推進する段階に入っている。情報関連消費は堅固な発展の基礎と、巨大な発展の潜在力を持つ。
 同意見は、中国の情報関連消費発展の目標・任務・保障措置を提起した。中国国務院の指導を受け、情報関連消費促進の各行動が全国範囲で展開され、学術界・産業界・メディアの注目の焦点になった。
 ◆4位:神舟10号の有人宇宙飛行 影響:中国宇宙?地球往復輸送システムの、初の応用性宇宙飛行が開始
 3人の宇宙飛行士を乗せた有人宇宙船「神舟10号」が、6月11日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。聶海勝氏、張暁光氏、王亜平氏ら3人の宇宙飛行士は、宇宙で15日間に渡り業務をし、生活した。3人はドッキング目標機「天宮1号」で一連の宇宙科学実験・技術試験を実施し、全国の青少年に向けて宇宙の授業を実施した。
 ◆5位:蛟竜号の深海科学調査 影響:初の試験的応用航行を実施
 中国の有人潜水艇「蛟竜号」が9月9日午後、任務を終え、母船の甲板に引き上げられた。蛟竜号の2013年の試験的応用航行の科学調査任務が、順調に完了した。
 現場総指揮の劉峰氏は、「蛟竜号は3つの航行段階で計21回の潜水を実施し、南中国海、太平洋北東部の多金属団塊資源契約区、太平洋北西部のコバルトリッチクラスト調査区の科学調査を順調に完了した」と語った。
 ◆6位:奇虎360とテンセントの独占禁止訴訟 影響:インターネット業界初の案件に
 中国セキュリティソフト最大手の奇虎360は、テンセントが市場の独占的な地位を濫用したとして民事訴訟を起こした。最高人民裁判所は、11月26日に2審に入った。本件がこれほど注目を集めたのは、「反独占法」が施行されてから6年間で、最高人民裁判所が審査したインターネット業界初の独占禁止案件であるためで、国内のインターネット業界の独占禁止の判決に対して、前例としての意義を持つ。
 ◆7位:第30次南極科学観測 影響:新たな科学調査基地を建設
 中国第30次南極科学観測隊は、256人の隊員によって構成される。この中には全国約60機関の隊員、タイ・台湾の隊員、海外観測基地の視察に向かう隊員が含まれる。
 観測隊は計30件の基地内科学観測プロジェクトと南極海科学観測プロジェクト、15件の後方支援任務を実施する。今回の科学観測において、中国は南極に4カ所目となる科学観測基地「泰山基地」を建設する。極地観測船「雪竜号」は南極を巡る観測・航行の任務を実施し、偏西風帯を4回通過する予定。その航行距離は約3万1500海里に達し、2014年4月上旬に上海に帰還する予定だ。
 ◆8位:3Dプリンタは技術革新か、技術革命か? 影響:第三次産業革命のドアを開くカギに?
 ネジから家に至るまで、3Dプリンタに作成できないものなどないかのようだ。3Dプリンタは伝統的な製造方式と異なる特長を持ち、理論上はほぼ無限の可能性を持つため、科学技術界・産業界の敏感な神経を刺激している。
 3Dプリンタ技術は現在、飛行機やスポーツカーから、衣料品や携帯ケースに至る、製造業の各分野に徐々に浸透している。米国では、低価格で操作性がシンプルな小型の家庭用3Dプリンタが、4キロ平方メートル内に1台という普及の程度に達している。
 ◆9位:アップルのダブルスタンダード、中国人消費者に謝罪 影響:国内外で異なる傲慢なサービスは通用せず
 中国中央テレビ(CCTV)は3月15日(世界消費者権利デー)夜、アップルの中国におけるサービス内容が海外と異なり、中国人消費者を差別している可能性があると報じた。その後、CCTVの有名な報道番組は、アップルのサービス問題について報じ、疑問を呈した。
 これを受け、アップルは4月1日夜に謝罪文を掲載し、中国人消費者に謝罪を表明し、サービス内容の全面的な改善を進め、中国の法律・法規を順守するとした。
 ◆10位:馬雲氏がアリババCEOを退任 影響:インターネットは若者の天下
 タオバオ(アリババが運営する中国ネット通販サイト最大手)の5月10日の10周年記念式典において、馬雲(ジャック・マー)氏はCEOの座を陸兆禧氏に譲り渡した。陸氏は2013年5月10日より、アリババ・グループの新CEOとなった。馬氏はCEOの職を辞し、会長職となった。
 馬氏は今年1月に発表した、CEO退任に関する文書の中で、「インターネットは若者の天下だ。アリババの60年代生まれの幹部の圧倒的多数が今年、管理者としてのポストから退き、責任を70・80年代生まれの社員に委ねる」としていた。


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