10トン級多用途ヘリが初飛行に成功、空母艦載機になる可能性も

2013年 12月24日

 中国国内の空白を埋める10トン級中型多用途ヘリが23日午前、中国東北地区北部の某空港で初飛行に成功した。メディアと軍事マニアの注目度は高く、同機を「直-20」と称している。専門家によると、直-20はまだ正式に配備されていないため、正式名称が存在しない。しかし今回の成功は、同機が将来的に中国のヘリ装備の主力になる可能性を示している。京華時報が伝えた。
 中国陸軍航空兵は創設当初、輸送ヘリのみを中心としていた。その後少数の武装ヘリ「ガゼル」を導入し、「直-9」シリーズも部隊に配備された。しかし作戦方式が長期的に地上作戦の支援に留まっていたため、空中突撃の主力になれなかった。武装ヘリ直-10・直-9の就役により、中国陸軍航空兵の偵察・攻撃ヘリ不足の局面が覆されたが、中国には10トン級の多用途ヘリによる突撃・空輸・後方支援が不足していた。
 軍事専門家の房兵氏は、「専用のヘリにはならないが、多くの用途を持つ。中型多用途ヘリの中型とは、10トン級という重量を示している。多用途ヘリの真の特長は、空輸、ミサイル搭載、火力支援が可能な点であり、陸海空軍の空白を埋めることができる」と指摘した。
 ◆直-20は仮の名称
 10トン級多用途ヘリの初飛行の情報が伝わると、ネット上の多くの軍事ファンの注目を集めた。多くのサイトも同情報を伝え、同機を「直-20」と称した。
 軍事専門家の杜文竜氏は中国中央テレビ(CCTV)の取材に応じた際に、「名称はまだ確定されていない。直-20は、直-10・20・30に基づく憶測だ。10トン級多用途ヘリは現在、一つの製品もしくは試作機にすぎない。軍側による命名は、部隊に配備されてからになる。配備されてから、正式な兵器として認められる」と語った。
 ◆新型ヘリ、さまざまな場面で活躍
 中国の10トン級多用途ヘリに関する情報は、すでに長く噂されてきた。珠海航空ショーにおいて、関連部門が同ヘリの模型を展示した。ネットユーザーは今年9月、高速道路で新型の軍用ヘリを撮影した。その外観は米武装ヘリ「ブラックホーク」に似ているが、細かい点が異なっている。同機は中国の研究所が開発した10トン級多用途ヘリのプロトタイプ機とされ、撮影された軍用ヘリは試験場での国家試験に向かうプロトタイプ機とされた。
 杜氏は中国の新型10トン級多用途ヘリの性能について、「戦術多用途ヘリとして、この多用途という言葉は重要な意味を持つ。中国の多くの航空機は大きすぎるか小さすぎるかで、中堅としての役割を果たせる多用途ヘリは少ない。新型10トン級多用途ヘリは幅広い発展の空間を持ち、シリーズとして輸送型・突撃型・電子戦型・給油型などに発展できる」と語った。
 ◆ブラックホークに似た外観
 ネットユーザーが撮影した写真を見ると、中国の新型10トン級多用途戦術ヘリの外観は、中国が米国から輸入した「S-70C-2」ブラックホークに似ているが、中国の新型10トン級多用途戦術ヘリの主回転翼のブレードは5枚で、機体とテールブームの連結部分には、過渡的な構造が見て取れる。一部のメディアは、貨物室の輸送性能を改善したためと推測した。
 杜氏は、「饅頭がどれも円い形であるように、ヘリの形に似通った部分があるのは否めない。中国の新型ヘリの外観はブラックホークと似ている点があり、一部を参考にしている可能性があるが、機内の動力などのシステムには大きな違いがある。ただ、性能はブラックホークに近いはずだ。5枚のブレードを採用したことで、吊り下げ能力と積載量が強化される。外部に3-4トンの物資を吊り下げ、内部に1.5トンの物資を積載することは、問題ないはずだ」と説明した。
 杜氏は、「10トンという重量は大きくも小さくもなく、将来は山向け、海向けなどの目的別にシリーズ化できる。山とはつまり高原型のことで、一般的なヘリでは飛行できないため、強い動力と機動性の高い外形が必要だ。標高3000メートル以上で自由に兵力と武器を配備するためには、これが必須条件となる」と述べた。
 杜氏は海向けについて、「海軍は今後、新型10トン級多用途ヘリを駆逐艦・護衛艦・遼寧艦の艦載機にできる。駆逐艦・護衛艦では巡視・対潜・対艦・救援に使用できる。空母の遼寧艦では、警戒・偵察・補給に使用できる。将来的には海軍版の同機が見れるかもしれない。これも一つの発展方向だ」と指摘した。


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