2014年01月13日-01月17日
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嫦娥3号の8大観測機器、初戦に勝利

2014年01月14日

 中国科学院月・深宇宙探査総体部が13日に明らかにしたところによると、月探査機「嫦娥3号」に搭載されている8台の観測機器は、月面での初日の昼に相次いで観測および月面試験を実施した。着陸カメラが予定されていた任務を完了したほか、科学観測の使命を担う7台は安定した性能を維持し、大量の観測データを獲得し、初戦に勝利した。新華網が伝えた。 
 嫦娥3号の任務を担う科学応用核心チームと観測機器開発部門は、得られた試験データを初歩的に分析している。各機器は順調に稼働しており、観測データの収集・受信・伝送・前処理も正常に行われており、嫦娥3号が2日目の昼に実施する全面的な科学観測に向け堅固な基礎を築いた。
◆着陸カメラ、着陸地点の撮影に成功
 嫦娥3号の着陸の過程において、中国航天科技集団508所が開発した着陸カメラが、嫦娥3号の着陸地点の光学画像化に成功した。探査機の軟着陸成功後、地球上の応用システムは着陸カメラの撮影した着陸地点の4673枚の画像を受信した。これにより、着陸カメラは予定されていた任務を完了した。
◆地形カメラ、地球の光学画像化を実施
 中国科学院光電技術研究所が開発した地形カメラはパノラマカメラと協力し、5回の相互撮影に成功した。地形カメラは着陸地点付近の月面を360度パノラマ撮影し、地球の光学画像化を実施した。さらに月面ローバーの走行の様子、ロボットアームの伸縮の過程などを撮影した。
◆パノラマカメラ、月面ローバー周辺の月面を撮影
 月面ローバー「玉兎号」に搭載されたパノラマカメラは、中国科学院西安光学精密機械研究所が開発した。地形カメラとの相互撮影の他に、月面ローバー周辺の月面をパノラマ撮影し、鮮明な画像を獲得した。
◆月の光学望遠鏡、天文画像の獲得に成功

 中国科学院国家天文台と中国科学院西安光学精密機械研究所が共同開発した月の光学望遠鏡は、宇宙の三カ所の天文画像の取得に成功した。集められた画像の処理を施し背景をカットすることで、りゅう座に位置する三カ所の空間の、近紫外線波長の鮮明な画像を再現した。また信号の受信、天体図の比較により、目標天体の座標を測定した。
◆極紫外線カメラ、地球のプラズマ層の試験観測結果を獲得
 中国科学院長春光学精密機械・物理研究所が開発した極紫外線カメラは、地球の試験的な画像化を実施し、63枚の地球プラズマ層のデータを取得した。データのノイズ処理により、地球のプラズマ層に対する試験観測結果を獲得した。
◆月探査レーダー、月の浅層構造・土壌構造を探査
 月面試験の段階において、中国科学院電子学研究所が開発した月探査レーダーは、月面ローバーの走行中に試験を実施した。1本目のルートでは3602件のデータを、2本目のルートでは7611件のデータを取得した。現時点の分析によると、1本目のルートでは浅層構造の情報を、2本目では土壌の階層構造を探査することができた。
◆赤外線分光計、鮮明な画像を撮影
 中国科学院上海技術物理研究所が開発した赤外線分光計は、座標特定やデータ収集などの試験を実施し、完全かつ有効な可視近赤外画像データおよび短波赤外スペクトルデータを獲得した。現時点の分析によると、可視近赤外ルートの画像は鮮明で、全スペクトルの特徴がはっきりと確認された。
◆粒子X線分光計、11種の元素を識別
 中国科学院高能物理研究所が開発した粒子X線分光計は玄武岩のガンマ線スペクトルを獲得し、月面の元素に対して試験探査を実施した。現時点の分析によると、ガンマ線スペクトルの探査から11種の元素を識別した。

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