2014年01月27日-01月31日
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位置情報サービスとビッグデータで春運の全貌が明らかに

2014年01月27日

40日間で延べ36億人。これは2014年の春運(春節の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間に予想される乗客数だ。この人類史上最大規模と呼ばれる短期間内の大移動で、人はどこからどこへ向かうのだろうか?最も人が多いのはどの路線だろうか?人民日報海外版が伝えた。
 これらの問題については、これまでは正確に答えられなかった。しかし、ビッグデータ技術を利用することで、あたかも迷路の中で全体図を見渡すように、春運の全景が見て取れる時代が近づいている。
 ◆春運のリアルタイム状況を可視化
 1月26日に、「百度遷徒」(「百度地図春節人口遷徒ビッグデータ」)が正式にリリースされた。トップページの中国地図では、人々の出発地点と目的地が点によって示されている。都市をクリックすると、過去8時間内に当該都市を出入りした人数に関するデータが示される。
 例えば北京をクリックすると、26日11−19時に北京市を出発した乗客が最も多く向かった3つの目的地は、保定市、天津市、徳州市となった。北京市を目的地とした乗客が最も多かったのは、天津市、保定市、成都市、上海市であった。同時間帯に全国で最も乗客が多かった春運の路線は、1位が成都市―北京市、2位が上海市―ジョ州市(ジョ=さんずい+除)、3位は天津市―徳州市であった。1月16日に春運が始まってからの、毎日のリアルタイムデータをまとめた表を見ると、北京市―成都市の双方向の移動が、常に乗客数で上位に食い込んでいる。また京滬線(北京市―上海市)の北京市と上海市の間、京広線(北京市―広州市)の北京市と鄭州市の間も、移動する乗客が多い路線となった。北京市、上海市、広東省などは、常に多くの人口を他省に送り出す地域だ。これは春運の基本的な判断と合致する。これらの地域は経済が発展しており、他省出身者を多く集めている。
 他にも新しい傾向が見られた。百度のブランド管理部門の徐継業氏は、「ビッグデータにより、人口の逆移動など、興味深い現象が分かった。成都市を例とすると、春運の期間中に多くの人が北京市に向かう。多くの若者は大都市で働いており、仕事を見つけ子供ができると帰省しようとしなくなり、両親を北京に迎え年を越すことになる。これにより逆移動のピークが形成されている」と説明した。このデータは成都鉄路局の統計状況と合致している。昨年と比べ、今年の春運に成都市から北京市に向かう乗客が60%以上増えているのだ。
 百度はこのほど春運の状況を図示化したが、これは位置情報サービス(LBS)技術の革新に基づくものだ。全国の鉄道・道路・航空便を含む路線に関するデータは、8時間ごとに更新される。
 百度のLBS技術担当者の顧維コウ氏(コウ=さんずいに景+頁)は、「国内の2億人の携帯電話利用者が百度地図を利用している。利用者の位置変化から、当社はデータを獲得できる。携帯電話でネット接続する人の位置情報をビッグデータにまとめて分析すると、人々の移動の流れを描き出すことが可能だ」と語った。
 専門家は、「今後のモバイルネットワークの発展に伴い、人口移動の方向、都市化の流れ、都市の管理、春運の輸送力の配置、文化交流などの分析において、ビッグデータ技術が重要な意義を持つことになる」と指摘した。

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