2014年02月03日-02月07日
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高級医療機器、中国製が増加中

2014年02月10日

 長期に渡り、中国の医療機器産業の発展水準は低く、中・大型、中高級医療機器と植込み型医療機器は主に輸入に依存していた。高額な輸入製品による大きな経済的負担は、医療費の非合理的な増加、患者の「診察を受けるのが難しい、医療費が高い」といった問題を引き起こす重要な要因になっている。人民日報が伝えた。
 現在、この状況に改善が見られている。中国の科学技術企業と研究チームは、一連の医療機器の進展を続け、革新の成果が集中的に得られており、医療機器のグローバル企業を脅かしつつある。
 「脳のペースメーカー」は、主にパーキンソン病や癲癇などの機能性神経疾患、強迫症やうつ病などの精神疾患の治療に用いられる。中国の適応障害の患者は、1000万人以上に達する。先進的な植込み型医療機器である脳のペースメーカーは、技術的なハードルが高く、電子・ソフト・統合生産などの一連の技術が必要とされる。また長期的に体内に植え込まれるため、非常に高い信頼性が必要だ。世界では現在、米国の1社の製品が世界市場を独占している。
 10数年間に渡る科学研究により、清華大学は一連のコア技術とコア部品の難題を解決し、中国独自の技術システムを形成した。中国は脳のペースメーカーを開発・生産し、臨床応用できる世界で2番目の国になった。
 脳のペースメーカーの開発者、清華大学航天航空学院教授の李路明氏は、「2013年5月、清華大学が開発し、北京品馳医療設備有限公司が生産した脳のペースメーカーがCFDA(国家食品薬品監督管理局)の認証を取得し、中国初の植込み型神経調節機器になった」と説明した。
 李氏は、「同製品はすでに十数軒の病院に普及している。臨床治療の効果と定期的な訪問観察によると、各種指標は良好な数値を示している。製品の価格は輸入製品の約半額で、1人の患者の植え込み費用は20−30万元(約340万円―500万円)から約13万元(約221万円)に減少し、経済的負担を大幅に軽減した」と語った。
 超音波診断装置は臨床診断で最も頻繁に使用される画像診断装置で、高級版・デスクトップ型のカラー超音波診断装置は市場全体の43%を占めている。2013年まで、同装置は完全に大型のグローバル企業に独占されていた。一連の複雑なコア技術とコア部品の難関を突破する必要があり、難易度が非常に高い。しかし深セン邁瑞公司は、世界先進水準の高級全デジタル化カラードップラー「DC-8」を開発し、国外の高級カラー超音波診断装置の独占打破を可能とした。
 医療機器産業技術革新戦略連盟の専門家である王暁慶氏は、「国産ブランドの登場により、輸入品の高級カラー超音波診断装置の価格は、以前の150万元(約2500万円)以上から50万元以下(約850万円以下)に下がり、中国の同装置のローエンドからハイエンドへのグレードアップ、医療機器の普及促進にサポートを提供した」と述べた。
 第12次五カ年計画(2011−2015年)以来、医療機器産業は国家科学技術発展の戦略的重点とされた。中国科学技術部(省)は「医療機器科技産業発展特別計画(2011−2015)を制定し、「医療機器重点特別プロジェクト」を開始し、すでに12億元の経費を投入している。
 中国は現在、企業を中心とし、産学医で共同推進する革新体制を構築している。デジタル化・スマート化・携帯型の革新的な製品が現場の医療機関に普及しており、現場の技術水準とサービス能力を効果的に高めている。

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