2014年02月10日-02月14日
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十二指腸静脈瘤、中国で手術が成功

2014年02月20日

 解放軍第302医院内視鏡センターはこのほど、珍しい十二指腸静脈瘤を患った患者の手術を実施した。術後の経過は良好で、患者は健康になり退院している。科技日報が伝えた。
 大慶市出身の井さんは昨年9月より便に血が混じるようになり、現地の病院で一定期間の内科・輸血治療を受けたが好転しなかった。検査により、井さんが十二指腸静脈瘤を患っていることが確認された。
 十二指腸の静脈瘤は極めて稀なケースだ。近年は内視鏡検査の普及により、この病気に関する報道が増加している。内視鏡センターの張文輝主任は、「門脈の高圧による静脈瘤は食道や胃によく見られるが、血管の畸形などの珍しい原因により十二指腸にできることもある」と説明した。十二指腸の静脈は血流が豊富で、位置が特殊であるため、出血した場合は止血困難に陥りやすい。患者はショック状態になり、死に至ることもある。国内の関連資料によると、2000年から現在まで見つかっている十二指腸静脈瘤のケースは26件のみだ。この26件のうち4件の患者が手術を実施した。その他の11人の患者を訪問したところ、2人が静脈瘤の破裂による出血で死亡していた。この症状は稀であり、国内の治療経験は少なく、高いリスクが伴う。
 張主任の率いるチームは井さんに対して、十二指腸静脈瘤の外科用接着剤癒合術を実施した。内視鏡センターの先進的な医療設備と技術水準により、井さんの手術は順調に進められた。3日後には病状が安定し、便に血が混じらなくなり、ヘモグロビン値も正常に戻った。

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