2014年10月06日-10月10日
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中国 震源地の法則がネットで話題も、専門家は否定

2014年10月13日

 雲南省魯甸県、景谷県で今年に入り地震が相次いでおり、ネット上では震源地に関する憶測が飛び交っている。そのうちのある説によると、中国の過去50年間で発生した重大地震の位置を結ぶと、東北部―南西部の直線を呈しており、これが未だに発見されていない重大な地震帯の可能性があるという。地震の専門家はこの説について、「震源地には一定の法則が存在するが、絶対的な直線の法則は存在しない。このような憶測は科学的な根拠に基づいておらず、科学者によるさらなる研究が待たれる」と指摘した。光明網が伝えた。
 中国地震台ネットワークセンター研究員の孫士コウ氏(コウは金に宏)は記者に対して、「ネット上で噂されている地震の直線は参考データが少なく、震源地も都合よく選択されているため、科学的な根拠のない勝手な説だ。20世紀だけでも、中国ではM6.0以上の地震が800回弱発生しており、貴州省、淅江省、香港特別行政区以外のすべての省・自治区・直轄市に分布している。これらの地点を含めれば、一直線に集中という現象が存在しないことが分かる。ゆえにこの直線という説は非常に限定的であり、偶然にすぎない」と否定した。
 孫氏は、「地震の分布には帯状・線状の特徴があるが、これは地質構造と関連している。世界の大半の地震がプレートが接する場所で発生しており、一部はプレート内の活断層で発生している。中国大陸には南北を貫く1本の地質構造帯があるが、これは賀蘭―川滇南北構造帯、中国南北地震帯と呼ばれている。しかしこの地震帯も、同じ直線上にはない」と指摘した。元国家地震局副局長、中国地震局研究員の何永年氏も、「新中国の誕生後に発生した重大地震は、東北部―西部という一定の空間的分布を呈しているが、震源地の地質構造はそれぞれ異なっている。地質的な面から見ると、この直線が発見されていない地震帯であることを裏付ける、十分な証拠が存在しない」と述べた。

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