2014年10月06日-10月10日
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球形の化石が発見、謎多く注目を集める

2014年10月13日

 ネイチャー誌(電子版)に掲載された研究結果によると、中国南方で一連の説明しがたい球形の化石が発見された。これは初期の動物が残したものの可能性がある。この謎の化石が、細菌や単細胞・原生生物である可能性は低い。研究によると、この化石は岩の中に600万年以上保存されていた細胞であり、非常に複雑で、分化を始めている。多細胞の藻類か、太古の動物の胚胎である可能性もある。科技日報が伝えた。
 この奇妙な化石は中国南方の「陡山沱組(Doushantuo Formation)」と呼ばれる岩層から発見された、メガスフェラ属と考えられている。バージニア工科大学の生物学者の肖書海氏は、1998年に初めてメガスフェラ属の標本の研究を始め、これが動物の胚胎である可能性が高いと推測した。
 これらの化石のサイズは0.03インチ(0.7ミリ)ほどで、発見された地域は当時浅い海だった。現在までに、これらの胚胎が成長した動物の化石は見つかっていない。肖氏は、「これまでメガスフェラ属は、主に『Doushantuo Formation』の灰色の岩から得られていた。私と研究チームは、黒色の岩からより珍しい化石を発見している」と述べた。
 岩を薄く切断することにより、研究者は光を利用しその構造を見ることができる。これは色付きのガラスを見るようなものだ。研究者は多くの細胞が球形を呈し、一カ所に集まっているのを観察した。肖氏は、「これらの化石は、単細胞生物と多細胞生物の間の過渡期を示す可能性がある」と推測した。しかし同チームの研究によって、藻類の生物と同じ構造・形式を持つものが発見されている。これはこの化石が、植物に近い可能性があることを意味している。

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