2015年05月11日-05月15日
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北京科博会、最も優れた技術を総まとめ

2015年05月18日

 第18回中国北京国際科技産業博覧会(略称は科博会)が、 中国国際展覧センター(旧館)で開幕した。今年のテーマは「科学技術の革新をリードし、産業発展を促す」。ハイテクを搭載した多くの展示品が、博覧会に登場する。博覧会の会期は17日までで、市民は無料で見学できる。
◆最先端
・アリババ生体認証システム
 アリババ・グループ(阿里巴巴)の展示ブースでは、「店員」がレジの向こう側に立ち、「買い物客」が携帯電話を顔にかざし支払いを終えた。その所要時間はわずか5秒。職員によると、この顔認証決済の登録とスキャンは、顔の眉毛・目・鼻などの特徴が出やすい場所を利用する。ただし、現在は体験のみで、正式にリリースされるのは技術改良後となる。同じ生体認証システムには他にも筆跡認証がある。記者が体験用の装置を使い、楷書と行書で同じ字を書いたところ、いずれも認証された。職員は、「同じような筆跡に見えても、同じ人が書いたものでなければ認証されない。筆跡が完全に異なっても、同じ人が書いたものであれば認証される」と説明した。
◆最もエコロジー
・ベランダのスマート野菜畑
 この設備には水耕栽培槽が搭載されており、ハイテク環境管理技術が凝縮されている。購入者は小さなベランダ用スマート畑に自分の好きな野菜を植えられる。
◆最もクール
・マインドコントロールカー
 ヘルメット型の装置をかぶり、脳波で車の前進・バックを制御する。記者は科博会の青年科技革新成果ブースでこの技術を体験した。ヘルメットをかぶり、金属センサを額につけ、耳たぶに小さなクリップを取り付ける。それから意識を集中し目の前の車を見つめると、タイヤが高速回転した。集中し「ストップ」と念じると、タイヤはすぐに回転を止めた。マインドコントロールによって、車の前進・右折・左折・バックなどの動きを操作することができた。
展示ブースの北京工業大学の学生によると、脳波センサが利用者の脳波を測定し、ワイヤレス通信によりこれをコンピュータとスマートカーに送る。コンピュータは脳波の記録をとり、スマートカーは脳波データにより利用者の集中力を分析し、車の動きを制御する。
◆最も鮮やか
・書道ロボット、現場で対聯を書く
 青年科技革新成果展示ブースに展示された、北京情報科技大学の書道ロボット「小書童」は、多くの書道愛好家に注目された。高齢の来場者が、このロボットを開発した大学3年生の梁海洋さんを取り囲み質問する中、隣の書道ロボットも大忙しで、筆を振るい続けた。隣の展示ブースからも人が来て、看板に「無料印刷」と書いてもらうよう頼んだほどだ。梁さんは記者に対して、「このロボットは6本の釣糸と6つのデジタル舵取機で制御し、他の2つの舵取機は紙を巻くため使われる。開発チームのメンバー全員が90年代生まれで、最も若いメンバーは94年生まれだ」と説明した。
◆最も華やか
・6000メートルの高空を飛行する無人機
 スマート都市・スマートテクノロジー革新応用展示ブースで、黒の無人機が白の背景に映え、異彩を放っていた。ハイテク企業・北京臻迪科技は、計3機の無人機を展示した。3機は、それぞれ異なる特長を持つ。黒の無人機は滞空でき、かつ標高約6000メートルを飛行できる。これは中国の無人機としては最高記録で、この1機しか存在しない。グレーの低・中空を飛行する固定翼機は滞空できないが、飛行時間は黒の無人機の倍で、将来的に国防や国境警備などに活用できる。小型・軽量級の4枚ブレード垂直離着陸無人機は、数分内にある地点の3D地形図を作成できる。小型のため、人質救出作戦などのシーンで利用できる。

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