2015年05月11日-05月15日
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宋代の天文観測時計塔「水運儀象台」、再現に成功

2015年05月19日

 天津市の科学技術者である羅宝琪氏が担当する「大宋水運儀象台の科学的復元」プロジェクトが順調に完了した。復元された装置は安定的で信頼性が高く、稼働状況も良好だ。中国が宋代の大型天文機器の科学的原理を再現したのは、これが初めて。同プロジェクトは、国家天文台、中国科学院自然史研究所、清華大学などの専門家からなる審査委員会の審査に合格した。新華社が伝えた。
 北宋の元佑7年、天文学者の蘇頌は天文観測時計塔・水運儀象台の開発に成功した。水運儀象台は同年より使用が開始されたが、34年後に金国の兵士によって略奪され、行方不明となった。南宋時代になると、人々はこれを何度も作り直そうとしたが、技術的問題によりいずれも失敗に終わった。近年になり、日本、大英博物館、台湾、中国科技館などで異なるスケールの水運儀象台が復元されたが、正常に使用できなかった。中でも最大の難点となったのは、枢輪制御システムだ。
 文献によると、水運儀象台の高さは12メートル、台座は7×7メートルで、構造は木造、重要な機械の部分のみ精銅によって作られた。全体が3層に分かれ、下層は枢輪による時報装置、中層は球体の天球儀、上層は渾天儀(星の位置を測定する計器)。全体が枢輪で動き、24時間で一周し、天体の一日の動きを示す。

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