2015年09月01日-09月04日
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中国の農家、木を「家具の形に育てる」技術を開発

2015年09月02日

 河北省深州市西蒿科村で農業を営む60代の尚春林さんは、8年の時間を費やし、楡の木を家具の形に「育てた」。樹齢6年の椅子には、8万元(1元は約18.75円)の値がついたという。北京晨報が伝えた。
 河南省南召県の貧しい農民の家庭に生まれた尚さんは、2000年に夢を抱いて北京を訪れた。北京滞在中、一番印象的だったのは黄砂と煙霧だ。尚さんは中国農業大学資源・環境学院の教授から影響を受けて、毎日「資源と環境」のことばかりを考えていた。「しかし私には何ができるだろうか?」。そんなある日、尚さんは家具売り場で、多くの人が竹・木・藤製品の家具に興味を持っていることを知り、インスピレーションが湧いた。栽培の過程において製品を完成させれば、家具を育てることになる。それができれば、自然に回帰しようとする人々の高い消費の需要を満たし、多くの木材を節約できる。
 尚さんは取材に対し、「失敗に失敗を重ね、2010年にようやく本格的な研究開発の軌道にのった」と述べた。2014年には標準化された、量産化可能な成熟した技術が形成された。研究開発は、技術のアップグレード、シリーズ化発展に移り、美しく環境にやさしい椅子がついに誕生した。尚さんは今年1月の広州芸術品博覧会に樹齢6−7年の椅子を展示した。尚さんは38万元の値段をつけた。8万元の値をつける人が現れたが、もったいなくて売れなかったという。尚さんは70−80脚の樹齢6−7年の椅子を保管し、子供のように大切にしている。

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