中国農業科学院動物インフルエンザ基礎・予防コントロール研究革新チームの最新の研究によると、ユーラシア型の鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスは、すでにヒトに感染する能力をつけている。これは次のパンデミックを引き起こす可能性が最も高いウイルスであり、注意が必要だ。この研究結果は先ほど、米国科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。科技日報が伝えた。
豚はインフルエンザウイルスの重要な宿主だ。豚の間では、主に豚H1N1インフルエンザウイルス、鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスが流行している。ハルビン獣医研究所の陳化蘭研究員が率いるチームは2010年より、豚インフルエンザの系統的なモニタリングを行い、約3万6000頭の豚から228株のインフルエンザウイルスを分離した。うち139株は鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスで、このウイルスが中国の豚の間で広く存在していることが分かった。
遺伝学と生物学研究によると、鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスは遺伝学的な多様性を形成しており、そのすべてがヒト感染の能力をつけている。また多くのウイルスは、ヒトの間で効率的に感染を広める能力を持っている。しかし現在使用されているワクチン、ヒトの免疫力だけでは、十分に対処することができない。動物実験の結果によると、鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスの病原性は、2009年に世界的に流行した新型インフルエンザ(A/H1N1)に相当する。
陳研究員は、「動物の主なインフルエンザウイルスであるH1N1、H3N2、H5N1、H7N9、H9N2、鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスの科学分析および総合的な比較により、鳥型豚H1N1インフルエンザウイルスが次のヒトパンデミックを引き起こす可能性が最も高いウイルスであることが分かった。これは重視する必要がある」と話した。