南京大学天文・宇宙科学学院の研究チームはこのほど、最近発生した史上最大規模の超新星爆発を分析し、クォーク星が存在するという重要な証拠を推測・発見した。中国青年報が伝えた。
同チームのリーダー、同学院教授の戴子高氏によると、人々は1970年に「ハドロンを構成する基本粒子はクォーク」という理論に基づき、クォークのみで構成される天体「クォーク星」という理論を打ち出した。クォーク星と中性子星は質量と大きさが似通っており、表面的な観測だけでは区別しがたい。
戴氏は、「私の指導教員だった陸埮氏は研究により、クォーク星の減衰時間は1秒未満で、中性子星は特に長いことを発見した。これはクォーク星と中性子星の振動減衰の過程に大きな差があることを意味している。クォーク星は非常に強い減衰効果を持つため、その自転の周期は1ミリ秒未満となる。つまり毎秒1000回以上回転することになるが、これは新たに誕生した中性子星にはありえないことだ」と話した。
超新星爆発は、大質量の恒星が死亡する段階に発生する激しい爆発現象で、この巨大エネルギーは大量の放射性元素の衰退・変化によって生まれるとされる。しかしこの解釈は、史上最大規模の超新星爆発「ASASSN-15lh」に当てはまらない。なぜなら発見後のわずか4カ月内で、この爆発によって生まれたエネルギーが、太陽が現在の強度に基づき900億年燃焼した分に達したからだ。これほど莫大なエネルギーに必要な放射性元素の質量は、すべての恒星を合計した分を上回る。
同チームは、ASASSN-15lhの放射エネルギーには、より大きなエネルギー源が必要だと判断した。このエネルギーはコアの爆発によって残されたコンパクト天体から得られる。戴氏はこれまでの研究成果に基づき、この爆発によって残されたコンパクト天体は、中性子星ではなく誕生したばかりのクォーク星だと推測した。