2016年04月01日-04月01日
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中国の宇宙科学衛星、「四つの先鋒」の秘密に迫る

2016年04月07日

 中国の帰還型微小重力科学実験衛星「実践10号」が6日、打ち上げに成功した。同衛星は中国科学院宇宙科学戦略的先導特別プロジェクトの「四つの先鋒」の「次男」だ。それでは彼ら「兄弟」には、それぞれどのような特長があるのだろうか?北京日報が伝えた。
◆暗黒物質粒子探査衛星
 中国は昨年12月17日、暗黒物質粒子探査衛星「悟空」の打ち上げに成功した。同衛星は暗黒物質粒子の探査と宇宙線物理という、2大科学難題の解明に挑む。同衛星は今年3月17日までに天球の3分の2のスキャンを完了し、4億6000万個の高エネルギー粒子を探査している。データ分析が急ピッチで進められており、年末にも第1陣の科学成果が発表される見通しだ。
◆量子科学実験衛星
 中国は今年下半期に量子衛星を打ち上げる。同衛星は高速量子暗号伝送実験を行い、これを踏まえた上で広域量子暗号ネットワーク実験を実施し、宇宙量子通信の実用化に向け重大な進展を実現する。宇宙スケールで量子もつれの伝送と量子テレポーテーションの実験を行い、宇宙スケール量子力学の完全性を調べる実験と研究を実施する。
◆硬X線変調望遠鏡衛星
 硬X線変調望遠鏡衛星も今年下半期に打ち上げられる。同衛星は広域X線による宇宙観測、塵埃によって遮られている特大質量ブラックホール、未知の天体の探査を実現する。ブラックホール、中性子星、活動星などの高エネルギー天体を観測することで、緻密天体とブラックホールの重力物質の動力学と高エネルギー放射の過程を研究する。X線パルサーを利用する宇宙線の自主ナビゲーションの技術と原理を模索する。

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