2016年05月23日-05月27日
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北京協和病院、ヒト免疫系の老衰による変化の傾向を解明

2016年05月26日

 年をとると免疫力が低下すると言われる。それならば年をとると、体内の免疫系にはどのような変化が生じるのだろうか?北京協和病院感染症内科医の李太生氏らは10年をかけ、健常者の免疫機能に関する大規模な研究を完了し、ヒトの免疫系の老衰による変化の傾向を世界で初めて描き出した。論文はこのほど、インパクト・ファクターが世界一の学術誌「老衰」に掲載された。科技日報が伝えた。
 研究チームは世界保健機関(WHO)が定義する「健康」基準に基づき、18−80歳の1068人の健常者を集め、青年(18−44歳)、中年(45−64歳)、高齢者(65歳以上)の3つの年齢層に分けた。
 研究によると、年齢の増加に伴い、3大リンパ細胞のうちT細胞の数のみ、1403から1198に減少した。これは免疫機能の低下を意味する。「免疫系の指揮中枢センター」と呼ばれるCD4細胞の数の変化は大きくないが、CD4細胞が指揮する「現役部隊」のメモリーT細胞、「候補生」のナイーブT細胞の数は、加齢とともに前者が増加し、後者が減少するという傾向があった。うちメモリーT細胞の平均値は青年が419、中年が459、高齢者が472で、ナイーブT細胞は、青年が271、中年が249、高齢者が226だった。

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