2017年01月09日-01月13日
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5G技術、万物の連結を実現

2017年01月09日

 「5Gの革新は将来的に、低遅延、高信頼性により、時速500キロで移動中もスムーズな通信を保証しなければならない。次に車載ネットワークにより、5Gを使い高速道路での交通事故を回避する」、これは中国科学技術部が6日開いた「次世代広帯域ワイヤレスモバイル通信ネットワーク」重大特別プロジェクト(以下「同プロジェクト」)発表会において明らかにされた5G技術の定義であり、同プロジェクト技術責任者、中国工程院院士の鄔賀銓氏は「5Gがもたらすのはより広いバンド幅、より高い速度だけではない。未来の5Gは主に、産業アップグレード及び発展の問題の解決に用いられる」と明言した。科技日報が伝えた。
 鄔氏は「1Gから4Gまでが人と人の連結だったとするならば、5Gは万物の連結を実現する。例えば高速道路を時速200キロで走行する際に、車と車、車と道路の通信を行うためには、遅延を1ミリ秒にする必要がある。現在の4Gは10ミリ秒であり、10分の1にしなければならない。5Gの未来の目標の一つは、1平方キロメートル当たり100万のセンサーを設置し、インダストリー4.0やスマート都市など大規模なIoT(モノのインターネット)の配備を実現し、万物を連結させることだ」と述べた。
 中国の4G利用者数は7億3400万人、4G基地局数は249万8000局にのぼり、世界最大規模の4Gネットワークを構築している。「2Gの追随」、「3Gの突破」、「4Gの同期化」という飛躍により、4Gシステム、端末、チップ、計器などの整った産業チェーンを形成し、産業化と世界的な実用化を実現している。さらに国際標準への参与を広め、中国が主導し制定した「TD-LTE-Advanced」が4G国際標準の一つになった。
 同プロジェクト実施管理弁公室責任者、中国工業・情報化部(省)情報通信発展局長の聞庫氏は「第13次五カ年計画期間(2016−20年)、5GとLTE増強技術の開発に取り組み、世界統一の5G標準の制定を促進し、5Gチップ・端末・システム・設備の開発をほぼ完了し、2020年の5G実用化に向け産業の基礎を固める。LTE増強技術については、重要技術や端末用チップなど産業の弱い分野の開発を重点的に支持する。5G推進チームにより、特別プロジェクトは昨年、第1段階の5G単一技術の研究開発と試験を実施した。今年は5Gの試験と検証技術を一つの設備に集約し、開発と技術発展を同時進行する」と説明した。

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