2017年01月09日-01月13日
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国家科学技術賞は授賞件数減少も質向上の新たな傾向

2017年01月11日

 2016年度国家科学技術賞が9日午前に発表された。過去の授賞傾向と比較すると、国家自然科学賞、国家技術発明賞、国家科学技術進歩賞(3大賞)の授賞件数が再び減少した。国家科学技術奨励工作弁公室の責任者は、インタビューに応じた際に「この5年間で3大賞の授賞件数が毎年減少している。5年間の平均件数は307件で、その前の5年間の355件より48件減少している。特に2015年と16年は295件、279件と300件を下回っている」と説明した。人民網が伝えた。
◆科学技術の「追随者」から「リーダー」に
 今年の奨励成果は数が減少したが、依然としてその見所は多い。国家戦略の需要を見据えた重大プロジェクトがあれば、国民生活を改善する科学技術の革新もあった。特に高等級の賞の全体水準を見ると、中国は主要科学技術の分野と方向性がその席を占めており、「追随者」から「並走者」または「リーダー」へと変貌しつつあることが分かる。モバイル4G、北斗衛星測位システムを始めとする重大科学技術成果は、中国が重要技術と知的財産権で他国に依存するという受動的な局面を覆し、世界の産業構造を再構築した。これは中国の革新駆動形発展の成功例だ。
◆基礎研究、世界の科学技術発展の最先端に
 2013年に鉄系高温超伝導、2015年に多光子もつれが国家自然科学賞1等賞を受賞したが、今年も物理学の重大成果が再び同賞を受賞した。大亜湾ニュートリノ実験で見つかった新たなニュートリノ振動は、中国人科学者が主導したオリジナルの科学成果、中国本土で初めて得られた粒子物理学基本データであり、世界の高エネルギー物理学界に重要な影響を与えた。
◆女性科学者が大活躍
 国家最高科学技術賞が、初めて女性に授与された。自然科学賞、技術発明賞、科学技術進歩賞のうち、15件が女性が指導したプロジェクトだった。これには初めて女性科学者が受賞した科学技術進歩賞特等賞と、3件の科学技術進歩賞1等賞が含まれる。このほかにも女性メンバーが半数を占める授賞チームも多い。彼女たちの研究成果には、彩り豊かな新型活性染料、中国初の海洋無人測量船が含まれており、まさに男性科学者にも引けを取らない活躍をしていると言えるだろう。

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