北京大学第6病院が発表した情報によると、同病院の陸林院長が率いるチームは喫煙者を対象に研究を進め、プロプラノロールを服用することで喫煙に関する記憶を消し、喫煙に関する心理的な欲求を弱めることを発見した。同研究論文は「JAMA Psychiatry」に掲載された。光明日報が伝えた。
喫煙が癖になったり依存する原因はニコチンにある。ニコチン中毒は慢性的になりやすく、再発率が高い疾患だ。研究によると、ニコチンは脳の神経回路に可塑的変化をもたらし、強く持久的なニコチン中毒の記憶を形成し、これにより喫煙者には喫煙を続けたいという欲望が生まれる。この欲望は禁煙の決意を弱め、失敗させる。陸氏のチームはまず、動物のニコチン中毒の記憶模型を使い研究を進めた。少量のニコチンを無条件の刺激とし中毒の記憶を呼び覚まし、中毒が強化される期間内にプロプラノロールを投与することで、動物のニコチン中毒に関するすべての記憶を効果的に失わせることができた。チームはその後さらに、動物の研究から臨床試験への成果転化を実現した。これは禁煙できない人に新たな方法を提供し、さらにニコチン依存症などの医学・社会の難題を解消する可能性がある。