2017年10月02日-10月06日
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中国の大学革新力が向上、科学技術成果取引額が20億元超に

2017年10月10日

 中国科学技術部(省)、中国教育部(省)は9日、「中国普通大学革新能力観測報告書2016」を発表した。同報告書によると、中国の普通大学は10年間に渡り、規模拡大から内容の充実という成長に向かい、科学技術革新の総合実力を急成長させた。特に革新能力の形成、イノベーターの育成、科学技術成果の産出と転化の変化が顕著となっている。科技日報が伝えた。
 中国教育部科学技術司の雷朝滋司長は、「中国の普通大学のR&D経費と人員が全国に占める割合はやや低下したが、SCI(Science Citation Index)収録論文が全国に占める割合は80%以上に達した。新たな国家科学技術計画・体制のもと、大学は科学研究組織設立の新モデルを積極的に模索し、科学技術ガバナンス体制と能力の現代化を推進している。体制・メカニズム改革の連動効果が、徐々に顕在化している」と話した。
 同報告書によると、基礎研究および独創的革新の面において、大学は国家自然科学基金プロジェクト及び一連の国家重大科学技術任務の8割以上を担当した。
 雷司長によると、大学は産学研の連携でも、新たな飛躍を実現した。大学が2015年に獲得した水平科学研究経費は350億元(1元は約17.05円)以上に、科学技術成果直接取引額は20億元以上に達した。また特許出願件数と取得件数が急増している。
 雷司長は産学研連携の具体的な状況について、次のデータを提供した。調査対象となった1762校のうち、573校が専門的な技術成果転化・拡散機関を設立した。312校が専門的な技術成果転化・拡散ウェブサイトを報告・開設した。売り手側である大学は2006-15年に、技術市場における技術譲渡契約件数を着実に増やし、2015年には5万7000件に達した。
 中国科学技術部革新発展司の許倞司長は、「中国の科学研究者の育成形式及び中身がこの10年間でより豊かになった。科学と教育の融合、産業と教育の融合による人材共同育成の成果が出始めている」と説明した。

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