成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地が25日に発表した情報によると、同基地の科学研究者が担当する研究により、パンダが竹の食物繊維から十分なエネルギーを得られないことが証明された。パンダが竹を主なエサとしているのには、その生息範囲が幅広く、成長速度もスピーディな上、デンプンなどを豊富に含むからであり、生存していく上で「コストパフォーマンス」の高いエサだったためだとしている。科技日報が伝えた。
パンダは肉食動物の歯を持ちながら、なぜ竹ばかりを食べるのだろうか。これはパンダ好きの人々から、「百万年の謎」と呼ばれてきた。同基地の張文平研究員は今月、微生物学雑誌「ISME Journal」(電子版)に研究成果を発表した。記事はパンダの糞を分析し、パンダの腸内菌が竹の繊維をほぼ分解できず、竹の繊維から必要なエネルギーを得ているわけではないことを証明した。また研究により、パンダが主に竹のデンプン、ヘミ繊維素、ペクチンなどからエネルギーを得ていることを明らかにした。
同研究は初めて、パンダが竹を主なエサにしている理由を明らかにした。自然に存在するその他の食糧と比べ、竹の生育範囲は広いため容易にエサとして手に入れることが可能なだけでなく、パンダとエサをとり合うようなライバルも少ない。またその他の木本植物と比べると、竹に含まれるデンプンはやや高めとなっており、季節によって竹の各部位に含まれるデンプンの濃度は変化するが、パンダは常にデンプンが最も多く含まれる部分を選んで食べる。
張氏は、「竹の中でも、デンプンとヘミ繊維素が最も多いのは筍。また竹は成長速度がスピーディで、毎年2回発芽する。筍が生える季節は、ちょうどパンダの繁殖期にあたる。パンダはこの季節には竹よりも筍をよく食べる。筍に含まれる多くのデンプンとヘミ繊維素により、交尾と子育てのための十分な体力を確保し、体重を増やすことができる。冬は筍や笹はないが、竹に含まれるデンプンと可溶性糖の量が最も高くなるため、パンダはこの時期になると竹を食べる」とした。