2018年04月09日-04月13日
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宅配ロボットが6月にも北京デビューへ

2018年04月09日

 団地の管理者が宅配員を建物に入らせず、受取の際には自分で外に出なければならない。この「宅配の最後の1キロ」問題が、ついに解消される見通しになった。海淀区入居企業が開発した宅配ロボットは、清華大学や中関村智造大街、複数の閉鎖された団地内で7000キロの路上試験と調整を行い、すでに小規模の量産化を実現しており、今年6月にも北京市の一部団地で使用される見通しだ。送料のコストは人が運ぶ場合の1.5元(1元は約17円)から1元以下に下がる。北京日報が伝えた。
 6つの車輪を持ち、高さは1メートルほどで、30キロの荷物を積むことができる。また傾斜35度の坂を登り、速度は時速12キロに達し、8時間連続で走行できる。測位の誤差は1−3センチ。清華大学南門の外、中関村智造大街D棟の北京真機智能科技有限公司で、記者はかわいらしい外観の宅配ロボットを目にした。
 同社の創業者である劉智勇CEOによると、「真機小黄馬」という名のこのロボットは閉鎖された団地内の「最後の1キロ」問題を解消するため設計されたスマート配送ロボットだ。利用者が携帯電話を使い配達時間と配達先を入力すると、「体内」に小包を積んだロボットが自主的に時間通りに送り届ける。携帯電話でコードをスキャンし商品を受け取ることができ、スピーディーで安全だ。
 宅配ロボットには、レーザーレーダーやカメラ、センサーなど、一連の高級「装備」が取り付けられている。中核技術の一つである測位技術について、同社は「マルチレーザーレーダー+GPS+慣性航法」などの、複数のセンサーを融合させた測位プランを採用し、正確な測位と自主ナビゲーションを実現した。複数のレーザーレーダーを搭載しているため、夜間でも自主的に走行し、24時間の配送を実現できる。道路状況の変化、歩行者が多いといった複雑な環境について、ロボットはカメラを使い歩行者や車両を観察し、レーザーレーダーにより障害物を識別する。そしてディープラーニングを採用した環境モデリング技術で歩行者と物体を識別し、障害物回避の精度を高めていく。
 これほどかわいらしいロボットが外を走った場合、どのように盗難を防止すればいいのだろうかという疑問に同社スタッフは、「GPSカメラと音声警報システムがあり、もし誰かが抱きかかえて持ち去ろうとした場合は、アラーム音を発する」と説明した。

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