2018年04月23日-04月27日
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中国が小型ダクトファンドローンを開発、動力効率が30%向上

2018年04月23日

 北京で22日に開催された第19回中国国際模型博覧会で、多くの来場者が小型炊飯器のような形をしたドローンに注目した。これは中国航天科工集団が開発した中国初の民間用小型ダクトファンドローンとなる。科技日報が伝えた。
 このドローンはぽっちゃりした子供の体型ように、大きな頭に細い首、丸々とした体という独特な外観をしている。高さは約20センチ、重さは250グラムほどで、手のひらに乗るサイズだ。中国航天科工集団第二研究院第二総体設計部高級エンジニア、「天空工場」ドローンチーム責任者の何宇氏は「同製品は特に狭い空間での垂直離着陸、往復、急旋回と、関連作業の展開に適している。飛行の安全性と稼働効率が高く、さらにコンパクトで機動性が優れているといった長所がある。地上や人間のすぐ近くを安全に飛行することが可能」と述べた。
 ダクトとは気流が通る道のことで、空気抵抗を弱め、気流放出を安定させる力を持つ。同チーム構造エンジニアの趙天龍氏は、「現在のドローン市場で主流になっている小型4軸・6軸ドローンと異なり、同製品はダクトファンを中心構造及び動力システムとしている。ロケットに似た飛行原理を採用し、ダクト内と後部のガイドプレート及び舵面によってドローンの姿勢の安定制御を実現する。動力効率は従来のドローンを30%上回る」と話した。また同製品の回転翼はダクト内側に隠されているため、ユーザーが使用する際に翼に触れて怪我をするといった事故を防止できる。その表面は柔らかく弾力性の高い発泡材料で包まれているため、衝突や落下で壊れにくくなっている。
 何氏によると、このドローンは捜索救助や複雑かつ狭い環境の飛行偵察、室内警備、科学研究・教育、娯楽・ショーなどに用いることができる。また同チームはユーザーの需要に基づき、外観をカスタマイズできるという。

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