2018年06月18日-06月22日
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いもち病抵抗性を備えた稲の新品種を開発

2018年06月21日

 稲の「がん」に抵抗し、「抗がん」品種の実用化を目指す研究開発を進める湖南省の取り組みに、新たな展開があった。国家ハイブリッド稲工程技術研究センターが20日に発表した情報によると、中国工程院院士の袁隆平氏がチームを率い、省級企業院士専門家活動ステーションに入り、「いもち病菌動的監視制御プラットフォーム」を構築した。同プラットフォームの成果に基づき、異なるいもち病抵抗性遺伝子を持つスーパーハイブリッド稲の新品種をすでに栽培している。科技日報が伝えた。
 いもち病は稲の成長の過程における最も深刻な病害の一つで、俗に稲の「がん」と呼ばれる。深刻な場合は大面積の減産、さらには全滅に至る。
 この技術の難題を解消するため、湖南袁創スーパー稲技術有限公司と袁氏のチームは院士専門家活動ステーションを共同設立した。国際稲研究所の周波研究員によるいもち病菌変異監視制御技術を導入し、「病原菌の変化の先を行く抵抗性品種」というプランを打ち立てた。同ステーションはこのプランに基づき、いもち病動的監視制御プラットフォームを構築。長年に渡り長江の川上・中流・川下、華南稲生産エリア各省・直轄市のいもち病多発地域で感染した葉や稲穂を収集し、いもち病レースを分離しその病原性を調べた。地域別の代表的ないもち病レースバンクを構築し、各地のいもち病レース群の変化法則の動的観測を実現した。
 鄭啓雲氏は、「同プラットフォームを利用し、いもち病レース群の変化に焦点を絞り、対応する抵抗性遺伝子をもつハイブリッド稲の品種を植えることで、病原菌の変化の先を行くことができる」と話した。同プラットフォームのデータに基づき栽培した「旺両優958」などのいもち病抵抗性スーパーハイブリッド稲の新品種の他に、彼らは品種栽培の高生産模範及び大面積普及に焦点を絞り、ハイブリッド稲新品種の長期的かつ持久的ないもち病抵抗性を実現しようとしている。

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