2018年08月20日-08月24日
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パンダの本当の家は動物園ではなく野外にあるべき

2018年08月21日

 国家林業・草原局は16日、中国ジャイアントパンダ保護研究成果記者会見を開いた。同局保護司の楊超司長は、「天然林保護の推進に力を入れ、農地を林や草原に戻し、野生動植物保護・自然保護区を建設するといった林業重点プロジェクトを通じ、中国はジャイアントパンダ自然保護区体系の改善を続け、パンダとその生息地を保護している。総面積2万7000平方キロメートル以上のジャイアントパンダ国家公園に試験ポイント建設がすでに始まっており、公園の建設も積極的に推進されている」と説明した。光明日報が伝えた。
 中国は2003年より、飼育パンダの野生化訓練と野生化の研究を開始している。野生化したパンダ9頭のうち7頭が現在も生存している。また、7件の国家特許を取得し、パンダ野生化訓練・野生化の技術体系を構築した。
 中国は2017年に画期的な飼育パンダ野外繁殖試験を開始した。パンダの「草草(ツァオツァオ)」は2年連続で野外繁殖に成功し、今年7月には雄と雌の双子を産んだ。この取り組みは飼育・野外パンダの遺伝的な交流という点で新たな選択を提供し、飼育パンダの遺伝多様性の保持、群れの活力向上を促している。
 中国ジャイアントパンダ保護研究センターの張和民党委書記は、「野生の群れは野外で生活しており、天敵や自然災害といった自然界の各種脅威が不可避だ。しかし野外の状態でなければ、パンダは繁殖と進化を続け、自然に適応し続けることができない。パンダはペットではなく、本当の家は野外にある」と述べた。パンダの研究結果によると、野生のパンダの群れは大自然に対する良好な適応力を持っている。これはパンダが自然に淘汰されたわけではなく、野外で生存と繁殖を続けるべきであることを意味している。

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