人工衛星と有人宇宙飛行の成功に続く中国宇宙事業にとって3つ目の一里塚となる月探査プロジェクトは2004年に正式に始まり、これまで嫦娥1・2・3号の任務が無事に完了している。これらの月探査の任務は、どのような成果があったのだろうか。光明日報が伝えた。
嫦娥1号は2007年に月周回探査を実現し、月到達の夢を叶えてくれた。中国科学院月・深宇宙探査総体部の鄒永廖主任は、「探査データの研究により、科学者は月土壌マイクロ波輝度温度の分布の特徴といった多くの重要な科学的情報を入手した。月土壌マイクロ波熱放射の特徴を説明し、月両極のマイクロ波熱放射の異常などを発見した。月土壌の誘電率を導き出し、月土壌の密度を計算し、月土壌の月における厚さの分布が分かった。これにより希少ガス、特にヘリウム3資源の分布を推測した」と説明した。
嫦娥2号が2010年に打ち上げられた。その軌道高度は200キロから100キロに低下し、探査の精度が大幅に向上し、分解能が7メートル(世界最高)の全面的な月面地図を確立した。月探査を踏まえた上で、嫦娥2号はさらに小惑星「トータティス」の初となる探査を実現した。近距離の高精度映像データを取得し、同惑星の軌道、形状と大小、クレーターなどの体系的な分析を行い、同惑星が堆積物によって作られた近接連星という観点から研究し、結論付けた。
嫦娥3号が2013年に月面着陸に成功し、月面巡視・探査を実施した。月探査プロジェクトの「周回・着陸・帰還」という3ステップの2ステップ目の戦略を全面的に実現した。嫦娥3号着陸機は月面での作業時間が最長の人工宇宙船となった。2014年には再突入帰還飛行試験が無事成功し、宇宙船が第二宇宙速度に近い速度で再突入するための重要技術を確立した。これは中国の月・深宇宙探査、さらには宇宙事業全体の持続可能な発展に対して重大な意義を持つ。
鄒氏は「全体的に見ると、嫦娥1・2・3号任務は科学研究で多くの成果を取得した。概算統計のデータによると、現在まで嫦娥1・2・3号の科学データにより、1500本以上の学術論文が作成されている」と述べた。