国家航天局への31日の取材によると、月探査機「嫦娥4号」着陸機が北京時間30日午後8時39分、太陽光を浴び自動的にスリープモードを解除した。月面ローバー「玉兎2号」も同29日午後8時に自動的にスリープモードを解除していた。科技日報が伝えた。
着陸機と月面ローバーは月の裏側で極端な低温環境の試練に耐え、太陽の位置の変化に基づき主体的に「月の夜スリープモード」を解除した。重要設備が予定のプログラムに基づき次々と電源を入れ、初となる月の夜を安全に過ごした。また着陸機に搭載されている同位体温度差電池は月の夜の気温捕捉装置に順調に電力を供給し、同装置の観測エリアにおける初の月の夜の気温変化状況のモニタリングをサポートした。これにより中国月探査プロジェクトは初めて月の夜の気温観測データを手にした。
月面ローバーは着陸機から北西方向に約18メートル離れた場所にある。いずれも正常に稼働しており、通信中継衛星「鵲橋」により地上と安定的なデータ伝送・通信を維持している。初の月の夜の気温観測データによると、月表面の気温は最低で氷点下190度に達した。長時間の低温環境は、月探査機の「生存」が直面する厳しい試練だ。嫦娥4号が今回搭載している同位体熱源は、月の夜の期間中に熱供給を続け、日照がなく低温という難題を解消した。
月の裏側に軟着陸してから1週間以上たつと、嫦娥4号と玉兎2号は初の月の夜を迎えた。嫦娥4号は1月12日にスリープを開始し、玉兎2号は13日まで稼働した。玉兎2号は日が当たる坂の上でスリープした。南南東の方角を向き、3度ほど上を向いていた。この位置と姿勢は地上スタッフが工夫して選んだもので、いち早く日照を浴びることができる。玉兎2号の走行距離は現在、約44メートルに達している。
月の1昼夜は地球の約28日に相当する。1日目の日中に、嫦娥4号と玉兎2号は任務を完遂し、鵲橋の力を借りて相互撮影を順調に遂行した。地上が受信した画像は鮮明だった。科学ペイロードがスムーズに電源をオンにし、稼働開始した。多くの国と組織が参加する科学探査任務が次々と展開された。着陸機地形カメラは着陸エリアのパノラマ撮影を行い、月のフルカラーパノラマ写真を送信してきた。2日目の月の日中に、着陸機と月面ローバーの科学ペイロードは計画に基づき、引き続き科学探査を展開する。