トップ >科学技術ニュース> 「メイド・イン・重慶」中国初の人工心臓が発売許可を取得

「メイド・イン・重慶」中国初の人工心臓が発売許可を取得

2019年09月11日

 国内初の人工心臓製品が、正式に販売を認められた。重慶市経済・情報化委員会、重慶市薬品監督管理局は10日に開いた記者会見で、重慶製の植込み型左心室補助システム「EVAHEART I」が8月26日、国家薬品監督管理局から販売を認められたと発表した。これは中国が初めて正式に販売する植込み型心室補助製品で、国内の産業の空白を効果的に補い、中国のハイエンド医療機器の進歩を推進するだろう。科技日報が伝えた。

 情報によると、人工心臓は「医療機器の王冠の宝石」と呼ばれている。主にバイオメカニクス的手段により心臓の血液ポンプ機能の一部もしくはすべての代替を果たし、患者の血液循環を維持するもので、末期もしくは重症の心臓衰弱患者を治療する効果的な手段であり、心臓移植の代替となる唯一の効果的な治療手段でもある。

 これまでは、欧州や米国、日本などの先進国が成熟した技術を持ち、中国国産の同類製品は販売されていなかった。世界的にトップレベルで価格もリーズナブルな国産化人工心臓製品を早期実現するため、重慶市政府の働きかけを受け、重慶永仁心医療機器有限公司は日本の技術を導入し、国産化を実現した。

 説明によると、この人工心臓は遠心ポンプ構造を採用した植込み型左心室補助システムで、体内モジュールと体外モジュールで構成されている。心臓左心室から主動脈に至るバイパスを構築することで、患者の心臓ポンプ機能の一部の代替・補助作用を発揮する。この人工心臓は日本の多くの科学研究機関が50数年の基礎研究、20数年の共同設計により開発したもので、すでに日本と欧州での販売許可、米国の臨床試験免除(IDE)を受けており、200人以上に植込み手術が行われている。この人工心臓は「低回転速度、大流量、生理的脈動血流を生みやすい」といった物理的特性を持ち、生体適合性が非常に高く、人工心臓植込み手術後の併発症のリスクを大幅に縮小できる。同装置を植込んだ患者の術後の生存時間は、最長10年以上にのぼる。

 重慶永仁心公司は昨年1月、中国医学科学院阜外病院、華中科技大学同済医学院付属協和病院、福建医科大学付属協和病院で相次いで臨床試験を開始した。今年8月の時点で、この人工心臓は15人に臨床植込み手術が行われている。患者の術後の経過は良好で、装置関連の深刻な併発症は生じておらず、海外の学者からも「世界で最も優れた臨床実績」と称賛され、期間を前倒しして販売が認められた。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます