2021年06月07日-06月11日
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発電+栽培+養殖、砂漠のクリーンエネルギーの新モデルが誕生

2021年06月08日

 50年目となる環境の日を迎えた5日、中国広核集団(以下、中広核)は内蒙古(内モンゴル)自治区のクブチ砂漠朔方太陽光発電所で、「百人植樹」イベントを行った。科技日報が伝えた。

 内モンゴル自治区オルドス杭錦旗独貴塔拉に位置する中広核朔方太陽光発電所は、「死の海」と呼ばれるクブチ砂漠の奥深くにあり、設備容量は20万kW。同プロジェクトは「太陽光+」の立体化新型産業循環プランを採用し、太陽光発電、生態修復、民衆への扶助、エコツーリズムを一体化させた砂漠ガバナンスモデルを実現した。

 クブチ砂漠は日照時間が長く乾燥しており、豊富な太陽エネルギー資源を秘めている。クリーンエネルギー企業としての中広核は、植樹による砂漠化対策と太陽光による砂漠化対策の「ダブルカーボンニュートラル」のモデルを積極的に模索し、クブチ砂漠の太陽エネルギー資源を利用し太陽光クリーンエネルギープロジェクトを開発している。周辺の民間用燃料不足の問題を解消すると同時に、人工植生被覆率を高めた。生態効果、経済効果、社会効果を兼ね備える砂漠化対策の道を作った。中広核は現在までクブチ砂漠の奥地で5カ所の太陽光発電所を運営しており、設備容量は62万kW、年間発電量は約12億kWh。同等規模の火力発電所と比べた場合、標準石炭44万トンの節約、二酸化炭素(CO2)110万トンの排出削減に相当する。

 プロジェクトが「植樹+植草+養殖+発電」を一体化させた生態太陽光産業モデルと結びつけ、コバノムレスズメ、油松、ナツメ、甘草、黄芩(おうごん)など十数種の植物と生薬の栽培により流砂を固定すると同時に現地の植被被覆の種類を豊富にし、気候変動による生物多様性の減退をある程度改善したことが特に注目される。中広核は現在までこのモデルにより1800ヘクタールの効果的な流砂固定を実現し、内モンゴル自治区のこの中国北方の重要な生態地帯を保護している。

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