2021年07月19日-07月23日
トップ  > 科学技術ニュース>  2021年07月19日-07月23日 >  グリーン電力の「天の道」、青海・河南超高圧が発電開始1周年を迎える

グリーン電力の「天の道」、青海・河南超高圧が発電開始1周年を迎える

2021年07月19日

 131億kWh!これは青海・河南±800kV超高圧直流プロジェクトが送電開始1周年の成果だった。新華網が伝えた。

 世界初の主に風力・太陽光新エネを送電する青海・河南超高圧プロジェクトが昨年7月15日、送電を開始した。青蔵高原(チベット高原)の太陽光や風力などのクリーンな電力が、険しい山と谷を渡り尽きることなく河南省の大地に直接送電される。

 青海・河南超高圧プロジェクトは2018年11月着工。この象徴的な意義を持つ超高圧送電線は、青海省海南蔵(チベット)族自治州から始まり、河南省駐馬店市に至る。青海省、甘粛省、陝西省、河南省の4省を経由し、総延長は1563キロメートル、送電容量は800万kW、投資総額は約226億元(1元は約17.0円)だった。

 施工環境の標高が高く、新型コロナウイルスの影響を受けるといった難題に立ち向かいながら、青海・河南超高圧は昨年7月15日に双極ローエンドシステムの活線稼働を実現し、昨年末に正式に稼働開始した。青海送変電工程有限公司の現場施工責任者の曾生偉氏は、「プロジェクト立ち上げから稼働までの時間はわずか2年で、同類プロジェクトの施工ペースを更新した」と述べた。

 これにより、多くの河南省の民家で使う電球は元のままだが、使われる電力が千里離れたチベット高原のグリーン電力になった。

 ジュースとジャムを生産する河南華栄食品有限公司は、駐馬店市上蔡県における電力消費の大口ユーザーだ。同社の責任者である岳春長氏によると、かつては住民の電力消費を保証するため、毎年冬・夏のピークになると、1、2日の電力使用制限を受けることが時々あった。1日の生産停止で30万元近くの損失が生じるという。

 岳氏は「青海・河南超高圧変電所は当社から直線距離で28キロメートル離れている。この変電所が電気を供給した後、昨年下半期より電力使用制限の通知を受けていない」と述べた。

 青海・河南超高圧の出発点、青南換流ステーションの李斌善ステーション長は、「クリーンエネルギーの相互補完能力により、青海・河南超高圧は新エネの長距離・大規模輸送のブレークスルーを実現した。1秒当たりの送電量だけで一般的な1世帯の2年分の電力を賄える。これにより青海省で新設される8800基の主流風力発電機が同時に発電する新エネが利用可能になった」と述べた。

 調整を経て、青海・河南超高圧は現在毎日、チベット高原から河南省に3000万kWhのグリーンな電力を送電し、青海省の太陽光・風力発電利用率の約95%の維持をサポートしている。

 関連電源の建設に伴い、青海・河南超高圧は2023年末にフル稼働を実現する見込みだ。フル稼働後、この電力の「高速道路」は毎年グリーンな電力を412億kWh送電する。これは三峡ダムの発電量の3分の1に相当し、河南省の現在の年間電力消費量の約8分の1を占める。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます