2022年06月20日-06月24日
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中国で建設が最も困難な高速鉄道が開通

2022年06月21日

 河南省鄭州市と重慶市を結ぶ鄭渝高速鉄道の襄陽東〜万州北区間が20日に完成し、開通した。これにより鄭渝高速鉄道は全線開通・運営を実現した。

 同区間は、世界的にみても地質条件が最も複雑な地域の一つだ。同路線は南陽盆地、大巴山山脈、四川盆地を通過し、漢江、神農渓、大寧河などの多くの長江1級支流を横断する。

 同区間は橋とトンネルが占める割合が非常に高い。うち万州〜巫山区間は全国的にも珍しく、橋が計32基設置され、線路総延長の5.9%を占める。また、トンネルの数が27.5本で、線路総延長の92.3%を占める。橋とトンネルの総延長は180.355キロメートルで、その区間に占める割合は98.34%にも達する。乗客にとって、移動中の92%超がトンネル内ということになる。トンネル内の通過にかかる時間が大半を占める列車は都市部の地下鉄のようだ。

 鄭渝高速鉄道は開通後、中国の「8縦8横」高速鉄道網の重要な構成部分になる。開通前、重慶から北京まで北上する鉄道の移動時間は片道で最短11時間20分だったが、鄭渝高速鉄道の全線運行により北京から重慶までの移動時間は片道で最短6時間46分になる。

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