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復旦大学の研究者、新型高温超伝導体を発見

2024年07月25日

 超伝導体はその大きな応用可能性により、非常に注目されている。新型高温超伝導体の発見は、科学界が追求している目標だ。復旦大学物理学系の趙俊教授のチームは、高圧光フローティングゾーン技術により3層のニッケル酸化物の生成に成功し、ニッケル酸化物に圧力誘導の超電導性があることを証明した。その超伝導体の体積分率は86%に達し、新たな高温超伝導体が発見されたことを意味する。研究成果はこのほど、「ネイチャー」最新号に掲載された。科技日報が伝えた。

 趙氏は「高温超伝導研究のブレイクスルーの大半は、実験、とりわけ新型超伝導体の発見によってもたらされる。既存の理論では完全に説明できない現象が今も数多くある。ニッケル酸化物単結晶サンプルの生成条件は非常に厳しく、特定の高酸素圧力環境下に置き、高温と高い温度勾配を維持して初めて単結晶サンプルの安定した生成が実現できる。相形成に必要な酸素圧力の幅が非常に小さいため、複数の組成を持つニッケル酸化物が層状に共生する現象が起こりやすい上、生成過程では数多くの頂点酸素欠陥が極めて発生しやすい。これがニッケル酸化物の超伝導含有率が低い理由かもしれない」と説明した。

 同チームは高圧光フローティングゾーン技術を利用して複数のサンプルを生成。最終的に純相三層ニッケル酸化物単結晶の合成に成功した。チームはさらに中性子回折およびX線回折測定を行い、材料の格子構造と酸素原子座標および含有量を測定し、頂点酸素欠陥がほとんど存在しないことを発見した。

復旦大学
 

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