中国水稲研究所の米品質安全評価イノベーションチームが10年以上にわたり米の食味データを体系的に分析した結果、品種改良や田畑管理の最適化など手段によって中国産米の食味品質が向上していることが明らかになった。関連研究成果は科学誌「ネイチャー」に掲載された。科技日報が伝えた。
「米の美味しさ」が米の優劣を判断する一つの基準になりつつある。
論文の筆頭著者である中国水稲研究所の盧林副研究員によると、従来の水稲研究は主に増産に重点が置かれていたが、人々の生活水準向上に伴い、米の品質と食体験の向上が新たな注目点になってきたという。
中国では2008年に国家標準を更新し、米の調理・食感の官能評価法(GB/T15682-2008)を制定。その後の研究の基準を確立した。
盧氏は「私たちのチームはこの基準に基づき、外見、香り、口当たり、味わい、冷や飯の食感という5つの側面を採点し、代表的な食味評価値を作成した。データによると、2009年から23年の間に、中国産米の全国平均食味評価値は74.9点から80.3点に上昇した。この変化は中国が米の品質向上において著しい進歩を遂げたことを示している」と説明した。
盧氏によると、水稲の品種改良の初期段階では、ジャポニカ米の食味品質がインディカ米を上回っていた。しかし、品種改良や栽培環境監視などの技術が進歩し、特に中国南方地域ではインディカ米の品質が著しく向上したという。
研究ではこのほか、インディカ米の主要産地である経済発展地域では、その生産技術効率が比較的高いことも示された。盧氏「これは、技術進歩によって食品の付加価値が大幅に向上したことを物語っている。中国の米の全要素生産性は年々上昇しており、平均値は09年の0.43から20年には0.55に上昇した。その変化傾向は米の食味評価の変化と一致しており、米の食味品質の向上が地域の経済発展と食料政策と密接に関連していることを示している」と述べた。