2025年02月10日-02月14日
トップ  > 科学技術ニュース >  2025年02月10日-02月14日 >  自動車アフターマーケットを発展させる重慶市潼南区

自動車アフターマーケットを発展させる重慶市潼南区

2025年02月14日

 中国重慶市潼南区はここ数年、自動車リサイクル産業の育成に注力し、自動車アフターマーケットの急速な発展を推進している。人民日報が伝えた。

 廃車部品を分類・解体し、廃車の価値を掘り起こす。使用済みバッテリーを段階的に回収し、廃棄バッテリーのリサイクルを実現する...。中古市場で一般的に3000元(1元=約21円)程度で売られている廃車は、重慶市潼南区の中古市場では4000元で売ることができる。

 この1000元の差は、現地の自動車リサイクル・解体企業によって生み出されたものだ。価値ある自動車部品をリサイクルすることで、企業は廃車の価値を最大化している。

 重慶弘喜自動車科技有限公司を筆頭に、潼南区は自動車リサイクル産業を積極的に構築し、自動車アフターマーケット市場を発展させている。現在20社以上の自動車再生企業が集まり、中国各地から毎年10万台以上の廃車がここで検査、解体、再生され、新たな命が吹き込まれている。

 潼南区党委員会書記の文天平氏は「潼南は成都市と重慶市の2大自動車市場の中間に位置し、両地域からの廃車回収と段階的な利用に適している。自動車産業の急速な発展に伴い、大量の廃車のリサイクルが求められている。潼南はチャンスを掴み、重慶市の新エネルギー自動車産業チェーンに積極的に参入し、自動車アフターマーケット産業の発展に重点を置いている」と述べた。

 新エネルギー車の動力バッテリーが大量廃棄される中、その有効な活用法が課題となっている。

 潼南区にある重慶貝思遠新能源は、動力バッテリーの段階的な利用に取り組んでいる。同社の使用済み動力バッテリーの生産ラインでは、製品の試作急ピッチで進められていた。同社の張宏旺総経理は「新エネ車のバッテリーは『引退』した後もまだ多くの容量が残っていることが多い。検査・再生すれば三輪車や農業機械、通信基地局、街路灯などで再利用でき、コストを削減できる。再利用した後、バッテリーの容量が20~30%未満になってからリサイクルする」と述べた。

 張氏によると、新しいバッテリーを使えば4000元以上かかるが、新エネルギー車の使用済み動力バッテリーを使えば2000元ほどしかかからない。性能にも大きな違いはないため、高い競争力を持つという。

 動力バッテリーの2回目の「引退」後、同社は再度買い取って解体・処理を行い、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンなどの貴金属を抽出して資源をリサイクルする。

 同社の工場の近くでは、新エネルギー動力バッテリー循環科学技術産業パークが急ピッチで建設されているところだ。張氏は「この地域で、新エネルギー三電(モーター・バッテリー・電子制御)メンテナンスネットワーク研修センター、新エネルギー完成車精密解体、部品再生、動力バッテリー再生利用などの事業を展開し、5G+全リンク型スマート工場を建設し、完全な自動車アフターマーケットエコシステムを構築する。生産開始後の年間生産高は50億元を見込んでいる」と述べた。

(画像提供:人民網)

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る