中国各地の昨年のGDP(地域総生産)データが発表され、県域経済の好調ぶりが示された。人民日報海外版が伝えた。
中国情報通信研究院がこのほど発表した「県域工業経済発展報告書」は、総合的な質と効率、イノベーション、協調、グリーン、開放、共有の6つの指標に基づき、中国工業トップ100県の実力を評価している。
報告書によると、中国の工業トップ100県(県級市)は中国国内の6.5%の人口で、GDPの10.2%、工業付加価値額の14.7%、一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)売上高の13.8%、一定規模以上の工業企業利益総額の15%以上を創出した。トップ100県のうち92県で工業付加価値額の成長率がプラスとなっている。うち73県は全国平均水準を上回り、17県は10%を超えた。事業体数でも一定規模以上の工業企業数が穏やかに増加している。工業トップ100県における一定規模以上の工業企業数は中国国内の15.6%を占め、新エネルギーや新素材、先端機器製造など複数のプロジェクトの実施に伴い、沿海先進地域からの産業移転の重要な受け皿になりつつある。
昨年の工業トップ100県のハイテク企業数は3万3000社以上で、全国の8.4%を占めた。社会全体のR&D経費支出は約3160億元(1元=約21円)で、23年比で約360億元増加し、中国国内の10%以上を占めた。15県では一定規模以上のハイテク産業の付加価値額が200億元を超えており、うち浙江省の慈渓市、黛山県、余姚市と湖南省の長沙県は400億元以上だった。県域経済の代表として、江蘇省昆山市は20年連続で全国総合実力トップ100県・市の1位をキープしている。その発展を牽引しているのはまさに工業だ。昆山の国家ハイテク企業数は24年に2744社に達し、トップ100県の1位となった。
これらの県(県級市)の強さは、工業投資の量と質がともに向上したことにも現れている。トップ100県の9割近くが昨年、工業投資のプラス成長を実現した。60以上のトップ100県の成長率が全国平均の10.3%を上回り、41県(県級市)の成長率が20%以上を維持し、工業投資の構造も新たに最適化された。江蘇省揚中市や浙江省新昌県などでハイテク産業投資規模が100億元を超えた。山東省広饒県や湖南省醴陵市などでは成長率が30%以上となった。既存設備の更新においても、大規模な設備更新などの政策の実施に伴い、工業の技術改良投資が成長した。安徽省長豊県や浙江省安吉県、江蘇省沛県などでは工業技術改良投資の成長率が2桁台になった。
これらの県(県級市)では対外開放度も高く、海外進出にも積極的に取り組んでいる。浙江省玉環市や江蘇省宜興市など26県(県級市)の輸出額が300億元を超え、江蘇省昆山市や福建省福清市など15県(県級市)の輸出額が500億元を超えた。