2025年04月14日-04月18日
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中国の竹製スケートボードが世界に向けて「滑り出す」

2025年04月14日

 中国湖南省長沙市にある湖南省豊源体育科技を訪れると、さまざまなタイプのスケートボードが目に飛び込んでくる。中でもひときわ目を引くのが、竹製のスケートボードだ。同社生産責任者の幸忠亮さんは「これは当社の特徴的な製品で、市場での人気が高い」と語った。人民網が伝えた。

 どうして竹を使ってスケートボードを作ったのだろうか。王青雲総経理によると、以前はカエデを使っていたが、原材料価格の継続的な高騰に伴い、利益率が徐々に圧迫されていった。そこで中南大学などと共同開発チームを発足させ、転換策を模索した。カエデの代わりになるのは何かと考え、地元で豊富に産出される孟宗竹に目を付けたという。

 同省邵陽市綏寧県は竹資源が豊富で「竹の里」と呼ばれ、約5万3000ヘクタールに及ぶ孟宗竹の竹林がある。地元では竹は多くの日用品に使用されており、竹と関係があるスポーツもたくさんある。苗(ミャオ)族の伝統的な祭り「四月八」では、竹竿を使ったダンスが特に有名だ。

 チームは比較実験を行い、孟宗竹は繊維の密度が高く、曲げ強度にも優れ、採取が容易で、環境にも優しく、スケートボードの理想的な素材であることがわかった。「竹材による代替」の方針が確定すると、チームは技術の改良を急ピッチで進め、ボードが割れる、ひびが入る、接着剤がはがれるといった技術的難題を次々に解決し、最終的に竹だけを使ったスケートボードの大量生産を実現した。市場からの反応は上々で、同チームはさらに引張強度に優れたグラスファイバーやカーボンファイバーなどの新素材を竹製スケートボードに取り入れ、次々に新製品を打ち出した。

 王氏は「当社の生産するボードがスケートボード女子中国代表チームと一緒にパリ五輪の競技会場に登場したことはとても嬉しかった。今では竹製スケートボードの年間販売数は約30万枚に上り、中国各地だけでなく、タイやフランス、マレーシアなど20以上の国・地域でも販売され、『メイド・イン・チャイナの竹製スケートボード』は今、まさに世界に向けて『滑り出し』ている」と語った。

(画像提供:人民網)

 
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