中国では第14次五カ年計画期間中(2021-25年)、第3世代有人潜水船の運用が大きく進展し、有人深海潜水の年間潜水回数が世界全体の半数以上を占めている。全水深有人潜水船「奮闘者号」によって、中国は1万メートル級の有人潜水を常態化し、複数の深海新種を発見した。中央テレビニュースアプリが伝えた。
中国科学院深海科学・工学研究所の劉合露副研究員は、「マリアナスネイルフィッシュは、これまでに確認された中で最も深い場所に生息する脊椎動物で、その肝臓の脂肪含有量は60%を超えており、人間でいえば重度の脂肪肝に相当するが、それでも健康に深淵環境で生息している。この特徴を解明すれば、脂肪肝などの疾患研究にも役立つだろう」と説明した。
奮闘者号の「極限深海潜水」技術を基盤として、中国科学院深海科学研究所は「グローバル深淵潜水探査計画」を立ち上げた。3年の間に、この計画には10カ国145人の科学者が参加し、世界の代表的な9つの深淵を体系的に研究している。
今年、この計画は国連の「海洋の十年」計画の一環として「グローバル深淵探査計画」に組み込まれた。チリ科学アカデミーのオスワルド会員は、「奮闘者号に乗って、チリ沿岸にある深さ8000メートルを超えるアタカマ海溝に潜り、地震など自然現象の根源を探りたい。現在、世界で海溝最深部まで潜れる潜水船は2隻しかない。もう1隻はアメリカの『リミティング・ファクター』だが、実験を行う機能はない。中国の潜水船は実験やサンプル採取が可能で、科学研究にとって優れたプラットフォームだ」と語った。

画像は人民網日本語版(CCTV提供)より