中国の全国統一電力市場は、エネルギー分野における全国市場構築の重要な施策といえる。第14次五カ年計画(2021~25年)期間中、中国は大規模な電気自動車(EV)充電ネットワークを構築した。これはEV 5台につき約2基の充電設備が整備された計算になる。中央テレビニュースが伝えた。
浙江省杭州市では公共充電ネットワークが構築され、市街地では半径0.9キロ以内に充電設備があり、高速道路サービスエリアでは超急速充電スタンドが整備された。191の郷・鎮すべてに充電設備が置かれ、商業施設やホテルなどの駐車場にも充電スタンドが設置された。
公共充電ネットワークの整備によって、新エネルギー車の長距離移動が容易になった。今年の国慶節(10月1日)と中秋節(旧暦8月15日、今年は10月6日)に伴う8連休期間中、各地で長距離のドライブ旅行を行う人が増え、以前より計画的に移動できるようになったとの声もある。
現在、中国の公共充電ステーションは30万カ所を超え、2021年比で約3倍に増加した。ガソリンスタンドの約11万カ所を上回り、長距離移動の利便性が大きく向上している。
粤港澳大湾区(広東・香港・マカオ・グレーターベイエリア)では、新エネ車が交通手段としてだけでなく、電力網の調整に利用できる『移動電源』としても活用されている。深圳市では、電力需要のピーク時になると、電力網が事前に需要シグナルを発信し、新エネルギー車から電力を電力網へ逆方向に供給することで、利用者が一定の収益を得られるようになっている。
試算によると、2025年末までに中国の新エネ車保有台数は約4500万台に達する見込みであり、多くの車が相互接続に参加することで、負荷調整能力の強化と分散型エネルギー取引の拡大が可能になるとみられる。