中国科学院広州地球化学研究所の研究チームは、月探査機「嫦娥6号」が持ち帰った2グラムの月土壌サンプルを分析した結果、CI型炭素質コンドライト(炭素を多く含む球粒隕石)の衝突による残留物を確認した。これまで月のサンプルで検出されていた「正の酸素同位体比を示す水」は、この種の隕石の衝突によってもたらされた可能性が高いという。研究成果は北京時間21日、国際学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。新華社が伝えた。
研究は、中国科学院広州地球化学研究所の徐義剛院士(アカデミー会員)らのチームによるもので、「嫦娥6号」の月土壌サンプルからCI型隕石に由来する衝突残留物を初めて確認した。研究者によると、これらの破片はCI型炭素質コンドライトの母天体が月面に衝突した際に溶融し、急速に冷却・結晶化して形成されたものだという。今回の研究では、地球外サンプル中の隕石物質を識別するための体系的手法も確立された。
CI型炭素質コンドライトの母天体は、主に外太陽系に分布しており、水や有機物など生命に不可欠な物質を豊富に含む。研究チームは、この発見が外太陽系の物質が内太陽系に移動しうることを示すとともに、月表面の水の起源を説明する上でも重要な意義を持つとしている。
研究者によると、これまで月のサンプルで検出されていた正の酸素同位体比を示す水が、このような隕石の衝突に由来する可能性が高いという。今回の成果は、今後の月の水資源の分布や進化過程の研究に新たな方向性をもたらすとしている。