中国の国家衛星海洋応用センターは6日、福建省アモイ市で、エンドツーエンドAI(人工知能)海洋大規模言語モデル「瞰海」を発表した。これは、中国で初めて「リモートセンシング-再構築-予測」を一体化したAI海洋大規模言語モデルとなる。中国新聞網が伝えた。
「瞰海」は、衛星リモートセンシングで取得した準リアルタイムの海面2次元環境データを、AIモデルを用いて空間的・時間的に拡張・推定し、今後10日間にわたる海表および海面下約600メートルまでの水温、塩分、密度などの海洋環境を予測する。これにより、海面から水中、現在から将来までを連続的に扱い、海洋環境を多層的に解析し将来の変動を見通すことが可能になったという。
開発は2022年から、中国工程院院士(アカデミー会員)の蒋興偉氏率いる研究チームが、国家自然科学基金の重要プロジェクト支援を受けて実施。国内外の海洋観測衛星データと人工知能技術を組み合わせ、リモートセンシングデータの統合、三次元的な海洋要素の再構成、AIによる統合モデル構築などの分野で研究を進めてきた。
現在、「瞰海」モデルの研究開発と運用環境への導入が完了しており、衛星観測から海洋環境予測までを一貫して行うシステムとして稼働している。これにより、衛星観測の高頻度性を活かし、短い周期で更新される予測データの提供が可能になった。