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3.2 電子情報通信分野の現状および動向

(6) ネットワーク

1)インターネット

 中国インターネット情報センター(中国互聯網信息中心=CNNIC)が2009年1月に発表した「中国インターネット発展状況統計報告」(「中国互聯網絡発展状況統報告」)によると、中国のインターネット利用者数は対前年比で41.9%の高い伸びを示し、2008年12月31日時点で2億9800万人に達した。

 また、普及率も22.6%に達し、初めて世界平均の21.9%を上回ったことが明らかになった。インターネットの主な使用目的には、求人の検索やブログの更新、インターネットショッピングなどがあがっている。

 主な国のインターネット普及率を見ると、日本73.8%、米国72.5%、韓国70.7%、ブラジル26.1%、ロシア23.2%、インド5.2%などとなっている。2000年から2008年にかけてのインターネット利用者数の推移を図3.1に示す。

図3.1 中国のインターネット利用者数の推移

図3.1 中国のインターネット利用者数の推移

出典:「中国互聯網網絡発展状況統報告」(中国互聯網信息中心、2009年1月)

 インターネット接続形態を見ると、ブロードバンドの普及率がめざましく、ブロードバンドユーザー数が2.7億人に達し、全体の90.6%を占めた。このほか、モバイルネット利用者が1億1760万人となり、2007年から133%の増加を示した。農村インターネット利用者も8460万人を記録し、前年から60.8%増加した。

  インターネット利用者を地域別に見ると、西部地域の増加率が高く、増加率が60%以上を記録した天津市、河北省、重慶市、貴州省、雲南省、青海省、寧夏自治区、新疆自治区のうち6地域が西部にある。

 2008年末時点での普及率は、大都市部が高く、北京市が60%でトップ、これに上海市の59.7%、広東省48.2%、天津市43.5%、浙江省41.7%などが続いている。

表3.15 地域別に見たインターネット利用状況

 

2007年末

2008年末

増加率
(%)

地域名

インターネット
利用者数(万人)

普及率(%)

インターネット
利用者数(万人)

普及率(%)

全国

21000

15.9

29800

22.6

41.9

北京

737

46.6

980

60.0

32.9

天津

287

26.7

485

43.5

69.1

河北

762

11.1

1334

19.2

75.0

山西

536

15.9

819

24.1

52.8

内モンゴル

322

13.4

385

16.0

19.7

遼寧

783

18.3

1138

26.5

45.3

吉林

434

15.9

520

19.0

19.8

黒龍江

476

12.5

620

16.2

30.2

上海

830

45.8

1110

59.7

33.7

江蘇

1757

23.3

2084

27.3

18.6

浙江

1509

30.3

2108

41.7

39.7

安徽

587

9.6

723

11.8

23.1

福建

866

24.3

1379

38.5

59.3

江西

511

11.8

610

14.0

19.5

山東

1256

13.5

1983

21.2

57.9

河南

956

10.2

1283

13.7

34.2

湖北

706

12.4

1050

18.4

48.7

湖南

690

10.9

999

15.7

44.7

広東

3344

35.9

4554

48.2

36.2

広西

560

11.9

734

15.4

31.1

海南

144

17.2

216

25.6

49.9

重慶

356

12.7

598

21.2

67.9

四川

809

9.9

1103

13.6

36.4

貴州

224

6.0

433

11.5

93.4

雲南

303

6.8

548

12.1

81.0

チベット

36

12.7

47

16.4

29.5

広西

517

13.9

790

21.1

52.8

甘粛

219

8.4

327

12.5

49.5

青海

60

11.0

130

23.6

117.4

寧夏

61

10.1

102

16.6

66.4

新疆

363

17.7

625

27.1

72.1

出典:「中国互聯網絡発展状況統報告」(中国互聯網信息中心、2009年1月)

 インターネットの利用状況を各接続機器別に見ると、デスクトップパソコンでの利用率が高くなっており89.4%、以下、携帯電話39.5%、ノートパソコン27.8%などとなっている。

 CNNICは、第3世代移動通信(3G)がスタートして以来、3G技術のネットワークが成熟しつつあることから、2009年以降、携帯電話によるインターネットの利用がさらに増加すると予測している。

図3.2 各接続機器別に見たインターネットの利用状況

図3.2 各接続機器別に見たインターネットの利用状況

出典:「中国互聯網絡発展状況統報告」(中国互聯網信息中心、2009年1月

 インターネットの普及が都市部と農村部の格差縮小につながるとの期待もある。近年の農村部でのインターネット利用率拡大の背景には、環境整備が急速に進んだこともあるが、農業がインターネット経済を支える新たな成長分野になるとの見方も出てきている。

 検索サイト「百度」の李彦宏CEOは2009年3月10日、農林・牧畜・漁業から百度が得た収入が昨年第4四半期に前年同期に比べて3倍以上になったことを明らかにした。「人民網日本語版」が伝えた。

 同氏によると、金融危機による経済減速は、インターネット企業の収入に影響を及ぼしているものの、農林・牧畜・漁業分野からの収入は力強い成長を見せているという。同氏は、ネーブルオレンジの過剰が深刻な湖北省シ帰県を具体的な事例としてあげている。

 それによると、同県のネーブルオレンジと関連したキーワードが検索エンジンにヒットするようにしたところ、百度による2ヵ月に及ぶ宣伝によって、同県のネーブルオレンジの販売量は前年同期より30%以上増えたという。

 インターネットバンキングの利用率も、顕著な増加を示している。中国銀行業協会が2009年3月14日に公表した「2008年度銀行業サービス改善状況報告」(「2008年度銀行業改進服務情況報告」)によると、2008年末時点のインターネットバンキングの利用者は、前年より52.8%増加し1億4815万に達した。取引金額は301兆8000億元を記録した。

 こうしたなかで中国政府は、次世代インターネットの発展をさらに推進する意向を占めている。国家発展改革委員会の張暁強・副主任は2008年12月3日、次世代インターネットを重視する必要があるとしたうえで、「第12次5ヵ年」期(2011~2015年)の発展規画を検討し、国際的な次世代インターネットの競争において戦略的に有利な位置を占めると同時に関連分野の発展を実現する必要があると語った。

 同氏によると、中国はこの5年間に30億元以上を投入し、6つの主要ネットと2ヵ所のアクセスポイントを含む次世代インターネットのモデルネットを構築した。全国の30都市以上をカバーし、ユーザーは100万人を超えている。このうち、清華大学を含めた25の大学は世界規模の次世代通信プロトコル「IPv6」インターネットを構築しており、「中国は次世代インターネットをリードしている」(張副主任)という。

2)モバイル通信

 工業・情報化部の集計によると、中国の移動電話ユーザー数は2007年から9392万増加し2008年末時点で6億4123万に達した。これに対して、固定電話のユーザーは、前年から2483万減少し3億4080万になった。

 こうしたなかで、工業・情報化部は2009年1月7日、中国移動通信集団公司(チャイナ・モバイル)、中国電信集団公司(チャイナ・テレコム)、中国聯合網絡通信集団公司(チャイナ・ユニコム)の3社に対して、第3世代(3G)携帯電話事業の免許を交付した。

 チャイナ・モバイルは、中国が独自に開発した「TD-SCDMA」方式、チャイナ・テレコムは米国が開発した「CDMA2000」方式、チャイナ・ユニコムは欧州が開発した「WCDMA」方式の免許をそれぞれ取得した。中国の独自技術である「TD-SCDMA」が実用化水準に達したことを受け、同時に免許を交付したと見られている。

 第3世代は、従来の携帯電話技術と比べてデータ輸送のスピードが大幅に向上しており、画像や音楽、動画などのマルチメディアのファイルを手軽に扱えるだけでなく、インターネットや電子商取引などのサービスを自由に利用できる。

 3G携帯電話の許可を取得したチャイナ・テレコムは2009年2月8日、農村部における携帯電話の普及をねらった「手機下郷」活動を本格的に開始したことを明らかにした。全国の農民ユーザーが同社のCDMA方式の携帯電話端末を購入し、ネットワークに加入した場合には優遇措置の適用対象となり、端末機購入代金の13%が政府から補助されるほか、一定の通話料補助も受けられる。このほか、固定電話、ブロードバンド、モバイル業務をセットにした優遇サービスも受けることができるという。

 さらに同社は2009年3月15日、上海で3G移動通信規格の商用化テストを開始した。4月には全国規模で業務をスタートし、Wi-Fi携帯電話の販売も開始する予定と見られている。

 中国のモバイルテレビ標準規格である「CMMB」(China Multimedia Mobile Broadcasting)方式でのモバイルテレビ放送が2009年3月16日、上海で正式にスタートした。中広衛星移動広播有限公司と上海文広手機電視有限公司が携帯端末向けテレビ放送契約を結んだことを受けたもの。

 中国が独自に開発したCMMB方式では、携帯電話やMP4、GPSなどの7インチ以下の小型ディスプレイ向けテレビ放送が可能で、上海市では、CMMBサービス対応の端末機を使えば、時間や場所の制約を受けずにテレビの視聴ができる。

 なお、工業・情報化部の李毅中・部長は2008年12月19日、2009年と2010年の2年間における3Gネットワークへの投資額が2800億元に達する見通しであることを明らかにしている。


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