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9.1 フロンティアサイエンス分野の概要

(2) 研究予算

1)全分野

 「中国科技統計年鑑」によると、同年間が集計している全58分野の研究開発内部支出は近年、着実に増加している。

 機関別に見ると、一時は2分の1以下であった高等教育機関の研究支出が顕著な増加を示しており、研究開発機関との差が縮小してきている。

表9.1 機関別に見た58分野の研究開発内部支出とテーマ件数の推移(万元)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関
(全分野)
1971759
(33784)
2093247
(35749)
2767834
(36889)
2834996
(37292)
3534911
(39072)
3653731
(42262)
高等教育機関
(全分野)
758722
(141992)
957739
(169643)
1262116
(200120)
1477327
(237463)
1934537
(280327)
2870180
(365294)
注:( )内は研究開発テーマ件数出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

2)数学

 「中国科技統計年鑑」によると、数学分野での研究支出は近年、研究開発機関、高等教育機関とも上昇傾向にある。このうち研究開発機関の数学分野での2006年支出は、前年比2.5倍という高い伸びを示し4712万元に達したが、研究開発テーマ件数は26件の増加にとどまった。

 これに対して、高等教育機関の数学分野での研究支出は、2005年に一旦減少したものの、2006年には大幅に増加し1億8397万元となった。これは、2001年以降でそれまでの最高を記録した2004年実績の1億4392万元と比較しても27.8%多い。高等教育機関では、研究支出に合わせる形で研究テーマも着実に増加している。

 数学分野での研究支出とテーマ件数を見ると、高等教育機関が研究開発機関をいずれも大きく上回っている。

表9.2 機関別に見た数学分野の研究開発内部支出とテーマ件数の推移(万元)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 2532
(216)
3491
(208)
1740
(218)
1846
(163)
1877
(178)
4712
(204)
高等教育機関 5094
(2832)
8239
(3291)
9487
(3481)
14392
(4233)
12664
(4783)
18397
(5771)
注:( )内は研究開発テーマ件数出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

3)物理学

 研究開発機関の物理学分野での研究支出は、2003年を例外とすると、2004年以降はわずかながら減少傾向を見せている。テーマ件数もそれほど大きな増減を示していない。

 一方、高等教育機関の物理学分野での研究支出は、絶対額ではまだ研究開発機関に及ばないものの、テーマ件数の伸びに合わせるように着実に増加している。2006年は5億5078万元となり、対前年比で22.4%の伸び率を記録した。

表9.3 機関別に見た物理学分野の研究開発内部支出とテーマ件数の推移(万元)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 46340
(1238)
71512
(1285)
259201
(1343)
95673
(1388)
95365
(1400)
92736
(1480)
高等教育機関 14359
(3445)
23740
(3986)
29864
(4238)
41177
(5133)
44992
(5692)
55078
(6913)
注:( )内は研究開発テーマ件数出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

4)天文学

 表9.4に示すように、中国の天文学研究は研究開発機関が中心となって実施されている。研究開発機関の天文学分野での研究開発テーマ件数はそれまで300件台で推移してきていたが、2006年には前年より37.9%多い517件を記録した。

 研究開発機関の内部支出も2001年以降、着実に増加しており、2006年は2億5535万元となった。これは、前年に比べて21.2%、また2001年実績と比較するとほぼ3倍になっている。

 これに対して、高等教育機関の天文学分野での研究開発テーマ件数は、毎年100件前後で推移しており、内部支出も研究開発機関に比べると2ケタ少ない。過去6年間の実績を見ても、2001年に記録した1983万元が最高となっている。

表9.4 機関別に見た天文学分野の研究開発内部支出とテーマ件数の推移(万元)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 8780
(363)
14894
(317)
16104
(329)
18354
(332)
21076
(375)
25535
(517)
高等教育機関 1983
(99)
473
(84)
943
(92)
1010
(112)
681
(99)
870
(110)
注:( )内は研究開発テーマ件数出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

5)地球科学

 「国家『第11次5ヵ年』基礎研究発展規画」によると、「地球科学」には、地質学や地理学、地球物理学、地球科学、測量・製図科学、大気科学、水文科学、宇宙科学のほか、海洋科学、生態学、エンジニアリング技術科学の中で地学に関連する部分が含まれる。

 これまで、地球科学分野での研究開発内部支出は、研究開発機関の支出額が高等教育機関の支出額を上回ってきていたが、高等教育機関の地球科学分野での内部支出は増加する傾向にあり、両者の差が縮まってきている。

 とくに高等教育機関の地球科学分野における2006年の支出額とテーマ件数は、対前年比でそれぞれ53.3%、33.5%という高い伸びを示した

表9.5 機関別に見た地球科学分野の研究開発内部支出とテーマ件数の推移(万元)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 57157
(3500)
78697
(3500)
88923
(3756)
94055
(3977)
108924
(4213)
104383
(4467)
高等教育機関 22769
(3363)
30768
(3786)
39590
(4258)
46774
(4997)
54849
(5737)
84070
(7659)
注:( )内は研究開発テーマ件数出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

6)海洋

 「中国科技統計年鑑」では「海洋」という分類がないため、国家海洋局・第二海洋研究所に所属する「衛星海洋環境動力学国家実験室」の2006年の実績を紹介する。同実験室は、基礎研究のレベルを世界的な水準まで引き上げることを目的として、予算を重点的に配分する研究室を指定する「国家重点実験室建設計画」の1つとして、2006年にスタートしている。

表9.6 「衛星海洋環境動力学国家実験室」の研究経費とプロジェクト(2006年)
  実験室数 研究経費(万元) 科学研究プロジェクト
資金調達 支出 件数 経費(万元)
国家海洋局・
第二海洋研究所
1(「衛星海洋環境動力学
国家重点実験室」)
9536 5577 132 10376
(参考:国家重点
実験室合計)
(195) (839429) (655283) (23309) (499055)
出典:「2007中国科技統計年鑑」(国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

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