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9.1 フロンティアサイエンス分野の概要

(3) 研究人材

1)全分野

 「中国科技統計年鑑」によると、同年鑑が集計の対象としている58分野における人的資源(研究者と技術者)投入量は、表9.7に示すように研究開発機関、高等教育機関とも着実に増加してきている。

表9.7 機関別に見た58分野の投入人的資源(研究者・技術者※)と研究開発テーマ件数の推移(人・年※※)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関(全分野) 127690
(33784)
118458
(35749)
129001
(36889)
124831
(37292)
133485
(39072)
157169
(42262)
高等教育機関(全分野) 136380
(141992)
153190
(169643)
162384
(200120)
202633
(237463)
219487
(280327)
261159
(365294)
注:( )内は研究開発テーマ件数
※研究者・技術者:高・中級技術のポストを有する科学技術活動に従事する人員と、高・中級技術のポストを有しない大学本科以上の学歴の人員を指す。なお高級技術職は日本の大学教授レベルに、また中級技術職は大学講師レベルに相当する。
※※:専従換算人員投入量:「専従人員」とは、当該年において研究開発活動に従事した時間が当該年の全作業時間の90%以上を占める人員を指す。また「非専従人員」とは、当該年において研究活動に従事した時間が当該年の全作業時間の10%以上-90%未満の人員を指す。「非専従人員」は、実際の作業時間に応じて「専従人員」に換算される。例えば、3人の「非専従人員」が当該年の全作業時間のそれぞれ20%、30%、70%を当該年の研究開発活動にあてた場合、「専従換算人員」は0.2+0.3+0.7=1.2(人・年)≒1(人・年)となる。したがって「専従換算人員投入量」は、「専従人員」に、作業時間に応じた「非専従人員」を加えたものである。例えば、2人の「専従人員」と3人の「非専従人員」(作業時間はそれぞれ20%、30%、70%)がいた場合、「専従換算人員投入量」は2+0.2+0.3+0.7=3.2(人・年)となる。
出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

2)数学

 「中国科技統計年鑑」によると、数学分野に投入された人的資源(研究者と技術者)は、機関別に見ると、高等教育機関が圧倒的に多くなっている。研究開発機関の人的資源投入量は2006年に前年の3倍近い502人・年に達したが、同年の高等教育機関の実績(4222人・年)と比べると8分の1以下に過ぎない。

 高等教育機関の数学分野での人的資源投入量は、2001年以降、着実に増加している。2006年実績は、対前年比で10.4%の伸びを示した。2001年実績(2614人・年)との対比では、61.5%の増加となっている。

表9.8 機関別に見た数学分野の投入人的資源(研究者・技術者※)と研究開発テーマ件数の推移 (人・年※※)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 272
(216)
205
(208)
199
(218)
156
(163)
173
(178)
502
(204)
高等教育機関 2614
(2832)
2756
(3291)
2769
(3481)
3696
(4233)
3824
(4783)
4222
(5771)
( )内は研究開発テーマ件数
※:前掲
※※:前掲
出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

3)物理学

 物理学分野では、研究開発機関、高等教育機関ともテーマ件数が増加している。そうしたなかで、研究開発機関の投入人的資源(研究者と技術者)は、2003年に過去6年間で見て最高の4735人・年を記録したあと2年続けて減少傾向を示していたが、2006年には対前年比で57.7%という高い伸びを示した。

 一方、高等教育機関の物理学分野での人的資源投入量は、2006年に5515人・年となり対前年比で18.2%の伸びを示し、過去6年間で最高となった。

 なお、中国科学院院士で清華大学理学部教授を務める鄺宇平教授は、中国の理論物理学分野では、長年にわたって慢性的な人材不足に悩まされており、そうした背景には成果が現れるまでに時間を必要とすることに加えて、学生や若い研究者の価値観の変化があるとの見解を示している。2008年2月15日付「科学時報」が伝えた。

表9.9 機関別に見た物理学分野の投入人的資源(研究者・技術者※)と研究開発テーマ件数の推移 (人・年※※)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 2838
(1238)
2721
(1285)
4735
(1343)
2553
(1388)
2467
(1400)
3891
(1480)
高等教育機関 3344
(3445)
3902
(3986)
3754
(4238)
4821
(5133)
4667
(5692)
5515
(6913)
( )内は研究開発テーマ件数
※:前掲
※※:前掲
出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

4)天文学

 天文学分野の人的資源(研究者と技術者)投入量は、研究開発機関については2001年以降減少傾向にあったが、2006年は対前年比でほぼ倍増し887人・年となった。これは、2001年の728人・年を上回り、過去6年間で見ても最高となった。

 一方、高等教育機関の人的資源投入量は、2002年から上昇に転じていたが、2005年から再び減少に転じ、2006年は研究開発機関の投入量の10分の1以下となった。

表9.10 機関別に見た天文学分野の投入人的資源(研究者・技術者※)と研究開発テーマ件数の推移 (人・年※※)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 728
(363)
536
(317)
515
(329)
450
(332)
457
(375)
887
(517)
高等教育機関 87
(99)
67
(84)
71
(92)
100
(112)
96
(99)
81
(110)
( )内は研究開発テーマ件数
※:前掲
※※:前掲
出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

5)地球科学

 地球科学分野での研究開発機関の人的資源(研究者と技術者)投入量は、2001年以降、減少傾向にあったが、2005年から上昇に転じ、2006年には過去6年間で見ても最高の6670人・年を記録した。対前年比では33.4%の伸びを示した。

 これに対して、高等教育機関の地球科学分野での人的資源投入量は、2001年から着実に増加しており、2006年には過去6年間で見て初めて5000人・年を上回った。

表9.11 機関別に見た地球科学分野の投入人的資源(研究者・技術者※)と研究開発テーマ件数の推移 (人・年※※)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
研究開発機関 5357
(3500)
5267
(3500)
4999
(3756)
4804
(3977)
4999
(4213)
6670
(4467)
高等教育機関 3119
(3363)
3243
(3786)
3764
(4258)
4273
(4997)
4636
(5737)
5096
(7659)
( )内は研究開発テーマ件数
※:前掲
※※:前掲
出典:「中国科技統計年鑑」(2002~2007各年版、国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

6)海洋

 研究開発内部支出と同じく、国家海洋局・第二海洋研究所に所属する「衛星海洋環境動力学国家実験室」の2006年の実績を表9.10に紹介する。

 なお、国家海洋局、科学技術部、国防科学技術工業委員会(当時)、国家自然科学基金委員会が2006年10月に公布した「国家『第11次5ヵ年』海洋科学技術発展規画綱要」(「国家“十一五”海洋科学和技術発展規劃綱要」)は、海洋科学技術に関係する高級人材を同期間中に30%増加するとの目標を掲げている。

表9.12 「衛星海洋環境動力学国家実験室」の人員とプロジェクト(2006年)
  実験室数 実験室人員(人) 科学研究プロジェクト
固定人員 客員研究員 件数 経費(万元)
国家海洋局・
第二海洋研究所
1 (「衛星海洋環境動力学
国家重点実験室」)
202 16 132 10376
(参考:国家重点実験室合計) (195) (18780) (6805) (23309) (499055)
出典:「2007中国科技統計年鑑」(国家統計局・科学技術部編、中国統計出版社)

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