増益だが経営環境徐々に厳しく 中国、大手銀行決算
2014年03月31日
軒並み増益だが経営環境は徐々に厳しくなっている現状が、中国大手銀行の決算から明らかになった。
チャイナ・ウオッチによると、中国の大手銀行は28日までに相次いで2013年12月期決算を発表した。軒並み増益となり、金融規制に守られながら巨額の利益を得ている現実をあらためて示した形だ。ただ中国の経済成長が鈍化している上、政府は金融自由化を目指しており、経営環境は徐々に厳しくなっている。
中国工商銀行は純利益が前期比10・1%増の2,626億元(約4兆3,200億円)だった。中国農業銀行、中国銀行も2桁の増益で、日本円に換算すると兆単位の利益を確保した。
中国では民間資本の銀行業への参入が規制されており、大手銀行の地位は安泰だ。預金金利の上限が決まっているため、預金者から低めの金利で集めた資金を、より高い金利で企業に融資して利ざやを確保できる。貸し出しリスクの高い中小零細企業への融資には消極的だ。
ただ中国の成長鈍化と政府が進める構造改革に伴って大銀行の取引先である大手企業の活動も鈍り「銀行業が直面するリスクは高まっている」(農業銀行)。工商銀行の13年末時点の不良債権比率は0・94%と、12年末の0・85%から上昇。中国銀行も比率がやや上昇した。
中国人民銀行(中央銀行)は預金金利の自由化を「1、2年以内に」(周小川総裁)実現したい考え。民間資本が主導する民営銀行を試験的に設立させる取り組みも始まろうとしている。大手銀行の経営環境は厳しくなりそうだ。
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公務員受験者、軒並み減=中国、倹約令で魅力低下?
2014年03月28日
中国各地の自治体で実施されている春の公務員採用試験の申し込み人数が、昨年に比べ軒並み減少していることが分かった。習近平 指導部は役人の浪費を戒める運動を展開しており、「公費天国」と 称されていた公務員の魅力が低下したためとの見方が出ている。27日付の中国紙、新京報が伝えた。
同紙およびチャイナウォッチによると、募集状況が判明している全国の18省・直轄市・自治区のうち、北京や上海市、広東省など16自治体で申し込み人数が昨年よりも数千人から十数万人減った。 減り幅が最も大きかった浙江省の受験者数は、昨年の36万人から22万7千人にまで落ち込んだ。
中国では2003年ごろから公務員採用試験の受験者が急増した。充実した福利厚生や、給与以外の「グレーな収入」の多さが人気の理由とみられている。
習指導部は最近、反腐敗キャンペーンに力を入れており、専門家は受験者の減少について「学生は公務員の雑多な収入が減ると考えているのだろう」と指摘した。
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中国沿岸部で深刻な海洋汚染
2014年03月27日
中国の沿岸部は海洋汚染が深刻で、港湾の開発にも適さない海域が4万4000平方キロにも及ぶという。
チャイナウォッチによると、中国海洋局は2013年の海洋環境調査報告書を公表した。報 告書は海洋環境を(1)漁業などに適している(2)水産物の養殖や海水浴に適している(3)工業用水などに適している(4)港湾開発に適している、という4段階に分類した。
このうち(4)の基準さえ満たさない海域は4万4000平方キロで、赤潮など富栄養化が起きている海域は6万5000平方キロにも及ぶという。2012年に比べて、とくに山東省や広東省、そ れに広西チワン族自治区などの沿岸で、汚染が悪化しているという。
中国、昨年20万ヘクタール超の土地利用に問題点
2014年03月26日
昨年、中国の地方政府の土地利用・管理面で2万余りの問題点が見つかり、関連する土地の面積が20万ヘクタールを超えており、全国の土地管理情勢が依然厳しいことが、2 1日発表された2013年中国国家土地督察(監督・点検)公告で、明らかになった。
チャイナウォッチによると、公告では、次のように述べられている。土地督察により、いくつかの市・県で政府主導の法規・規則違反行為が跡を絶たないことが分かった。2013年定例督察で、地 方政府の土地利用・管理面に2万3800の問題が存在し、関連する土地の面積が20万1200ヘクタールに及ぶことが分かった。一部の地方政府は耕地保護制度を厳格に実行せず規則に反し、▽基本農地を施設園芸、観 光農業園建設に転用する▽現状が建設用地、未利用地の土地を基本農地に区分する―といった問題点がある。一部の地方政府は法規・規則に反して、土地認可手続きをとっている。ま た一部の地方政府は土地収用に伴う補償政策を十分実行に移さず、土地を収用された農民の合法的権利・利益を侵害している。14の都市が土地収用補償費19億8200万元を払っておらず、社 会保障資金2億4100万元をまだ確保していない。
いくつかの地方政府には、規則に反した土地譲渡がみられる。46の都市で、規定に反して土地譲渡収入を少なく徴収するかまったく徴収せず、または勝手に減免するという問題点がある。829の案件で、4 92億300万元の土地譲渡収入が上納されていない。いくつかの地方は規定に反し、金融債務に土地担保を利用している。19の都市で土地を違法に金融融資の担保にする行為がみられ、それは1361の案件に及び、土 地は1万4233ヘクタール、担保額は1183億7900万元に上っている。
際立った問題点の発見を受けて、国の土地督察機関は48の地区に関係する28省(自治区・直轄市)と新疆生産建設兵団および4計画単列市(政令指定都市にあたる)の政府に33の定例督察意見書を送付し、問 題点を法律・規則に従って改善、処理するよう促した。違法な土地使用が際立ち、改善が不十分な河北省邯鄲市、遼寧省鉄嶺市、浙江省寧波市杭州湾新区、安徽省淮南市、河南省安陽市、湖南省常徳市、重慶市フウ( 倍のにんべんをさんずいに)陵区などの地方政府の主要な責任者については公開警告の行政指導を行った。
飲料水水源の水質は依然低水準
2014年03月25日
中国国内の飲料水の水源となっている湖沼と地下水について、中国水利省は水質基準をクリアしているのは30-40%程度であることが明らかにした。
チャイナウォッチによると中国水利省の矯勇次官が21日新華社記者の取材に応じ、ダムの水質は基準をクリアしているものが89%に達するものの、湖沼については約30%、地 下水については約40%にとどまることを明らかにした。
また水利省の周学文技師長によると昨年末までに4億人あまりの農村人口の飲料水が安全に問題があったものの、現在は1億人までに改善したとのことである。
今年3月の全国人民代表大会で発表された政府活動報告によると、今年末までにさらに6000万人分の農村人口の飲料水問題を解決し、来年末までにすべての飲料水の問題を解決することが打ち出された。
矯次官によると農村での安全集中給水率は73%で、まだ農村の23%がため池などから飲料水が供給されているという。水利省では関係機関とともに、今後も汚染対策を実施して、河川や湖沼、地 下水の水質に関する監視を強化するという。
海洋災害、直接的経済損失163億元
2014年03月24日
国家海洋局が発表した「中国海洋災害公報」は、中国で高潮を初めとする海洋災害による直接的経済損失が昨年1年間で163 億 4800 万元(約2,600億円)と過去5年で最も大きかった、と している。
チャイナ・ウオッチによると、昨年の海洋災害は、高潮、波浪、海氷、赤潮などが中心で、行方不明を含む死者数は121人。直接的経済損失が最も深刻だったのは高潮災害で、全体の94%を占めた。死亡( 行方不明含む)はすべて波浪災害によるものだった。
公報によると、直接的損失が最も深刻な1級行政区は広東省で、直接的被害額は 74 億 4,100 万元(約120億円)だった。最近 10 年の海洋災害の平均的状況と比べ、昨 年の直接的経済損失は平均値を上回り、死者(行方不明含む)数は平均値を下回った。
同局が同時に発表した「2013 年中国の海水準公報」によると、中国沿岸の海水準変動は全体として海進(海水準が上昇すること)傾向を見せ、世界平均水準を上回った。昨年の沿海の海水準は平年に比べ 95 ミリ高かった。2012 年に比べると27 ミリ低かったが、1980 年以来2番目の高さとなる。
海進は海浜の低地を水没させ、高潮、洪水・冠水、海岸浸食、海水侵入と土壌塩類化などの災害を深刻化させ、海岸帯の生態系を壊し、沿海のインフラの安全を脅かし、沿 海住民の正常な生産と生活に影響を及ぼした。
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住宅価格下落で経営破綻
2014年03月20日
高級別荘や住宅の開発を手掛ける中国浙江省の不動産企業が債務超過に陥り、事実上破綻したことが明らかになった。同様の事態が相次げば、中国の住宅バブル崩壊の懸念が強まるとみられる。
チャイナ・ウオッチによると、破綻したのは、浙江省寧波市の中堅企業「浙江興潤不動産投資」。住宅価格の相場下落のため、35億元(約570億円)の負債を抱えこんだ。建設中だった高級別荘地の周辺は、4 年ほど前と比べて住宅価格が半分以下に下落した。2013年12月に引き渡し予定だった高級別荘地は、4、5カ月前から工事が止まった。従業員への給与支払いも滞っている。地元当局は緊急対策組織を結成し、銀 行とも連携して、事業を継承する企業を探し始めた。
負債のうち7億元は、「影の銀行」を使って違法に集めた資金とみられ、当局が経営者を取り調べている。複数の銀行からも24億元を借りておいる。大手銀行からの融資もあり、返 済できなければ金融市場に影響する恐れもありそうだ。
中国の庶民の間では「住宅価格は上昇し続ける」という見方が根強い。ただ中国国家統計局によると、2月の主要70都市の住宅価格は、65都市で上昇幅が縮小。浙 江省杭州市では購入後の値下げに抗議する人たちの座り込みも発生した。
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人間本位の「国家新型都市化計画」配布
2014年03月19日
中国共産党中央委員会と国務院(中央政府)が、「国家新型都市化計画(2014~20 年)」を配布、「計画」の推進を徹底するよう各地と各部門に通知した。
チャイン・ウオッチによると、「計画」は今後、全国の都市化事業の健全な発展を導くマクロ的計画、戦略的計画、基礎的計画だ、とされている。都市化は近代化を実現するため必ず通らなければならない道で、農 業・農村・農民問題を解決するための重要な手段である。さらに、地域の協調的発展を支える強力な力であり、内需を拡大、産業のバージョンアップを促すための重要な足がかりでもある...とされた。
人間本位主義の都市化を推進し、「四化」(工業化・情報化・都市化・農村近代化)を同じペースで進め、配置を合理的なものにし、エコ文明建設に取り組み、伝 統文化を継承する中国の特色を備えた新しいタイプの都市化の道を歩むことは、小康社会(いくらかゆとりのある社会)を全面的に完成させ、社 会主義の近代化を加速することにとって現実的意義と深遠な歴史的意義を持っている、と通知は指摘している。
各級党委員会と政府に対し、農業労働力が移転する都市を確保する問題、都市部のバラック地区改造問題、都市部にみられる村落の改造問題、中部・西部地区の都市化問題を重点的に解決することを求めている。
1月27日に日本記者クラブで記者会見した早川英男・富士通総研経済研究所エグゼクティブ・フェロー(元日銀調査統計局長)によると、中国は2010年前後に「ルイスの転換点」と呼ばれる転機を迎えた。生 産性の低い農村の余剰労働力を生産性の高い都市に移動するだけで経済成長は高まる。こうした時期がいつまでも続くわけはない。「ルイスの転換点」を超えた中国は今、日本が1970年前後に経験したように、不 況と賃金上昇が起き、公害の深刻化、都市の過密化、地域格差さらには福祉行政の不十分さに対する批判が高まっている...と早川氏は、中国が非常に難しい経済政策を進めようとしている現状を指摘していた。
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日中でメディアの現状討論=夕張炭鉱の事故教訓に
2014年03月17日
中国のメディア関係者や学生、弁護士らに北海道夕張市で1981年に起きた炭鉱事故を記録したドキュメンタリー番組を視聴してもらい、日中のメディアの現状などについて議論する討論会が14日、北 京で開かれた。
チャイナ・ウオッチによると、この討論会は北海道大学の渡辺浩平教授(国際広報メディア専攻)が主催し、中国側からは約60人が出席した。
炭鉱事故を取材した北海道放送(HBC)の元記者で北海道大非常勤講師の後藤篤志さんが「多くの人が亡くなって得た炭鉱の安全管理面での教訓を、アジアで生かしてもらうのがせめてもの救いになる」と 訴えた。
中国は、エネルギーの約70%を石炭に依存しており、炭鉱事故もたびたび起きている。出席者からは「中国ではこうしたドキュメンタリー番組がない。事故をしっかり記録しておく必要がある」「 番組を作る際に邪魔や脅しに遭わなかったか」といった意見や質問が出た。
PM2.5対策を強化=大気汚染に「宣戦」
2014年03月14日
中国の李克強首相は13日、北京市を含めた広い地域で深刻化している微小粒子状物質「PM2.5」を含む大気汚染について「重要な国民生活問題になっている。粗放な生産方式を改めなければならない」と 述べ、対策を強化していく考えを表明した。
チャイナ・ウオッチによると、PM2.5をめぐっては、日本の環境省が2月28日、8府県で大気中濃度が国の暫定指針値を超えたと発表したが、日本でもその影響が懸念されている。
李首相は汚染に対して「宣戦布告」するとし、工場などが汚染原因となる物質を違法に排出する行為について「決して手を緩めず、厳しく対処する」と強調。「見て見ぬふりをしたり、監 督管理を怠ったりした当局者」の責任も厳しく追及するとした。
改善の見通しについては「有害物質を含んだ濃霧発生の原因は複雑。(抑え込みには)長いプロセスが必要」と述べ、「難題解決に向けてたゆまぬ努力を続けよう」と呼び掛けた。
北京市や河北省では全人代の期間中も有害物質を含んだ濃霧が発生していた。中国環境保護省は8日、昨年1年間、74都市で汚染状況を調べた結果、7 1都市でPM2.5が基準値を上回ったことを明らかにした。
「バーチャル養老院」が中国高齢者ケアの突破口に
2014年03月13日
人口の高齢化が進んでいる中国は高齢者ケアが最も注目を集める課題となっている。現在、各地で「バーチャル養老院」という在宅高齢者向けの新しいケアサービスが政府や市場と結びつき、こ の難問を解決する突破口として注目を集めつつある。
チャイナ・ウオッチによると、現在行われている「両会」(全国人民代表大会と政治協商会議)でも高齢者ケアは一部代表の関心を集めている。全人代代表で雲南省人民代表大会(人代、省議会)常 務委副主任の王樹芬氏は、高齢者ケアは「日の出の勢い」の産業であり、国も発展計画を研究、策定すべきだと考えている。政協全国委員で復星集団会長の郭広昌氏は、同 集団も今後高齢者ケアへの投資を拡大するとしている。
現在、中国は高齢者人口が総人口の14%を占め、2050年には4億人に達すると見られている。昨年末時点の中国の各種高齢者ケア施設はわずか4万余り、ベッドは380万余りしかなく、需 要の増大と供給の不足が問題となっている。
「バーチャル養老院」の考えは江蘇省蘇州市で始まり、この数年で整備が進み、今では住宅の管理・修理、精神面のサポート、娯楽・学習、緊急救助、清掃、食事、家 事手伝い派遣などさまざまなサービスを統一の基準で提供している。
現在、中国の伝統的な高齢者ケアは「421」(4人の高齢者、2人の若い夫婦、1人の子ども)の現代型家庭には大きな試練となっている。高齢者ケア施設は絶えず改善されているが、大 多数の高齢者は在宅ケアを望んでおり、そのため「バーチャル養老院」はますます利用者を増やしている。
天津の全人代代表、穆祥友氏は「バーチャル養老院サービスは一つの経済モデルであり、快適で便利な現実的高齢者ケアモデルでもある。よ り完全なケアを提供することは高齢者に対する思いやりであるだけでなく、現在の高齢化社会の差し迫ったニーズに応えるものでもある」と指摘した。
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中央環境審専門委が日本国内のPM2.5排出実態把握へ
2014年03月12日
中央環境審議会がPM2.5の排出実態を調べ、日本国内の発生抑制策について中間報告をまとめることを決めた。
チャイナ・ウオッチによると、PM2.5の対策を話し合う中央環境審議会専門委員会が12日、初会合を開き、2015年1月をめどに国内発生の抑制策について中間報告をまとめることを確認した。今後、業 種別に排出実態を調べる。
PM2.5は、焼却炉や自動車、船舶、火山などから直接排出されるほか、工場や火力発電所から出た汚染物質が大気中で化学反応を起こして二次的にできる場合がある。
会合では、ディーゼル車規制などの取り組みで直接排出量は減る一方、二次生成への対策が進んでいない実態が報告された。このため二次生成につながる汚染物質についても業種別に国内の排出源を調べ、抑 制策に反映させることにした。
委員会は研究者や自治体関係者のほか、電気事業連合会や日本自動車工業会など産業界も参加している。
PM2.5は国内発生と、中国から飛来する「越境汚染」が重なって濃度が上昇するとみられているが、その割合や発生の詳しいメカニズムは未解明の部分が多い。
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国家エネルギー局幹部が、原発を内陸部に建設する意向を示した。
チャイナ・ウオッチによると、北京で開催中の国政助言機関、人民政治協商会議(政協)の会合に出席していた王禹民・国家エネルギー局副局長が記者の取材に応え、福 島第1原発事故を受けて停止している内陸部での原発建設について「再開に向けて準備している」と明らかにした。
中国は、東京電力福島第1原発事故後、いったん新規原発の承認手続きを凍結、2012年10月、15年までは沿海部だけに原発を建設し、内陸部には建設しない方針を決定した。16年以降に、干 ばつなどの災害が多発する内陸部で建設を推進するかどうかについては判断を先送りしていた。
王氏は、原発に「第3世代」と呼ばれる先端技術を導入すれば「福島事故のような問題は避けられる」と強調し、16年以降の国の5カ年計画に、内陸部の原発計画が盛り込まれる、との見通しを示した。
中国内陸部の原発建設をめぐっては、大規模な洪水による電気系統の破壊や水質汚染などのリスクが指摘されており、安徽省などで住民の反対運動が起きたこともある。
エネルギー副局長内陸部原発も建設の意向示す
2014年03月10日
国家エネルギー局幹部が、原発を内陸部に建設する意向を示した。
チャイナ・ウオッチによると、北京で開催中の国政助言機関、人民政治協商会議(政協)の会合に出席していた王禹民・国家エネルギー局副局長が記者の取材に応え、福 島第1原発事故を受けて停止している内陸部での原発建設について「再開に向けて準備している」と明らかにした。
中国は、東京電力福島第1原発事故後、いったん新規原発の承認手続きを凍結、2012年10月、15年までは沿海部だけに原発を建設し、内陸部には建設しない方針を決定した。16年以降に、干 ばつなどの災害が多発する内陸部で建設を推進するかどうかについては判断を先送りしていた。
王氏は、原発に「第3世代」と呼ばれる先端技術を導入すれば「福島事故のような問題は避けられる」と強調し、16年以降の国の5カ年計画に、内陸部の原発計画が盛り込まれる、との見通しを示した。
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一人っ子政策緩和で出生増200万人未満
2014年03月07日
3中全会決定に盛り込まれた一人っ子政策緩和によって見込まれる毎年の出生増は200万人未満にとどまる、という予測を中国の専門家が明らかにした。
チャイナ・ウオッチによると、全人代代表で国家衛生・計画出産委員会科学技術研究所所長兼首席研究員の馬旭氏が3日、新華社の取材に答えて語った。
馬氏によると、夫婦のどちらか一方が一人っ子なら第2子まで出産を認める政策について、全面実施のタイムスケジュールはなく、今年は 20 余りの一級行政区で実施される見込み。そ れによる毎年の出生増加は 200 万人未満で、公共サービスに対して一定の圧力になるが、そう大きくはないという。
一方、全面的実施されると毎年人口が 1,000 万人増え、その重圧は非常に大きいとして、全面的実施には「慎重であるべきだ」との考えも示した。
また馬氏は次のように述べた。▽北京市はすでにこの政策を実施しているが「出産間隔」を条件としている。他の多くの一級行政区にそうした条件はない。▽ 最近の出産意識調査では都市部で第2子の出産を希望しているのは 60~65%だが、農村地域では 90%に達するだろう。▽現在の政策面からの予測では毎年、出生が 200 万多くなり、15 年後には中国の労働力市場の有益な補充となる。昨年の調査では、中国の新規労働力の不足は約 300 万人となっている。
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PM2.5対応のマスク市場、10億元規模へ成長の見通し
2014年03月06日
人体に有害な微粒子状物質「PM2.5」に対応するマスクの中国市場規模は今年、10億元(約166億円)となる見通しである。
チャイナ・ウオッチ、上海証券報によると、大気汚染が全国的に深刻化する中、大気汚染対策製品の引き合いが市民の間で高まっており、空 気清浄機など関連製品も含めれば市場規模はさらに大きく膨らむことになる。
これは北京市で開かれた大気汚染関連のフォーラムで明らかになった。2012年にPM2.5の存在が広く知られるようになって以来、中国では防塵マスクの需要が急速に拡大しており、今 年の需要数は25億3,000万枚、15年には今年比55%増の39億2,000万枚になると予想されている。
PM2.5を防ぐ国内ブランドマスク「緑盾」を例に取ると、現在国内約3万社がオンラインで同製品を販売しており、今年の販売額は3億1,000万元となる見通し。業界全体を合わせると、市 場規模は10億元に達するとみられている。
PM2.5に対応するマスクは現在、米スリーエム(3M)と緑盾が2大大手。ただ現時点ではPM2.5対応マスクの国家基準が制定されておらず、P M2.5に対応するとうたった品質の悪い製品が多く出回っている状態であるという。市場規模の拡大に伴い、政府当局は今後、国家基準の制定や参入規制に乗り出すとの見方もあり、技 術力の高い日系を含む外資メーカーには商機が拡大する可能性もある。
アリババと海南省デジタルネット都市建設へ
2014年03月05日
中国初のデジタルインターネット都市を建設することで、海南省とアリババグループが協力することになった。
チャイナ・ウオッチによると、海南省の国際観光島先行試験区と電子商取引最大手アリババグループの戦略的協力協定の調印式が2月27日、同省海口で行われた。試験区に中国初のデジタルインターネット都市、芸 術タウン、淘宝大学海南分院、中国著名企業家の冬季オフィスなどが、両者の協力で建設される。
協力は、IT産業、クリエイティブ産業などの分野が重点となる。総額 50 億元(約850億 円)を投じ、「アリババ・クリエイティブ集積区を設立」「 試験区に中国初のクラウドコンピューティングとビッグデータに基づくデジタルインターネット都市、スマートインターネットポートを建設」「試験区に中国著名企業家の冬季オフィスを建設し、企 業家のシンクタンクプラットホームを立ち上げ」「試験区のリゾート都市エリアに淘宝大学海南分院を建設し、電子商取引関連の実務的、革新的人材を育成」という事業を展開する。
馬雲アリババ会長は「インターネットの技術的優位性とデータの優位性を生かし、実体経済とバーチャル経済の高度な融合を実現し、海南の科学的でエコな発展を助ける。今後の目標は、観 光客が携帯電話だけで海南の観光、グルメ、宿泊、エンターテインメントを把握できるようにすることだ」と語っている。
海南国際観光島先行試験区は、海南国際観光島に対する国の特別支援政策により、10年以内に海南国際観光島建設先導区、国家重点文化産業集積区、国際観光商品刷新交流拠点、世 界一流の観光リゾート聖地を築くことを目指している。
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共産党、1年で7,600人余りを処分=中国、浪費戒める規定違反
2014年03月04日
中国共産党は昨年1年間で、党による税金の浪費を戒めるために習近平指導部が定めた8項目の規定に違反したとして、7,600人余りを処分した。これは3日に開幕した国政助言機関、人民政治協商会議( 政協)で公表した報告書で明らかになった。
チャイナ・ウオッチによると、習指導部は2012年12月、市民から批判を受けていた無駄遣いをなくす姿勢をアピールするため、党幹部の視察の際の過剰な出迎え、花 の飾り付けなどを自粛するよう8項目を打ち出していた。
報告書によると、昨年1年間でこの8項目についての違反が2万4千件あり、約3万人が摘発され、うち7,600人余りが党の処分を受けた。
「学者の道貫く」帰国の朱建栄教授表明
2014年03月03日
中国で約半年にわたり当局に拘束された後、約7カ月ぶりに日本に戻った日本在住の中国人学者、朱建栄・東洋学園大教授が2月28日、同大教授としての研究活動を続ける考えを明らかにした。
チャイナ・ウオッチによると、朱教授は同日、上海から空路、羽田空港に到着し、同空港で「このような事態に至ったことは遺憾に思う」と記者団に語った。中国では「 関係当局に現代史研究者としての資料収集活動の内容などについて事情を聴かれたが、不適切なものは一切なかったことが判明した」と述べた。
「遺憾」の真意について言及を避けたが、半年間もの拘束で研究活動に空白が生じたことへの無念さをにじませた。
中国筋によると、朱教授の学術調査が違法な情報収集に当たるとの嫌疑を掛けられ、国家安全省当局からスパイ容疑で取り調べを受けていた。朱教授は空港で「細かい聴取内容については明らかにできない」と 語り、中国当局から口止めされていることを示唆した。
朱教授は、報道各社のカメラの放列の中、黒のスーツ姿で空港ロビーに姿を現し、にこやかな表情も見せた。「後ろめたさはなく、毀誉褒貶に騒がず、学者の道を貫くのみ」。中 国語の成語を紹介しながら心境を明らかにし、研究のため中国を再訪することにも意欲を示した。
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