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アジアインフラ投資銀行構想に米が反対

2014年06月30日

 習近平国家主席が昨年10月、構想を発表した「アジアインフラ投資銀行」に米国が反対する行動に出ていることが分かった。

 チャイナ・ウオッチがワシントン発の共同電として伝えるところによると、オバマ米政権は、この国際金融機関への参加を見送るよう韓国政府に要請した。中国は、米国や日本を事実上排除する形で多国間協議を進めており東南アジア諸国連合(ASEAN)各国を中心に20カ国を超える国が参加を検討している。

 オバマ政権は、アジアインフラ投資銀行構想が、日米の影響力が強い世界銀行やアジア開発銀行に対抗する狙いがあるとみている。米国家安全保障会議(NSC)報道官は、世銀やアジア開発銀行が各国の返済能力に見合った投資を進め、不正や乱開発を防ぐための「高い基準」を確立してきたことを強調し、アジアインフラ投資銀行が同様の実践と貢献ができるか疑問だ、と語っている。

遅れる高レベル放射性核廃棄物処分地探し

2014年06月27日

 中国の高レベル放射性核廃棄物処分地決定作業が遅れている現状を、有力週刊紙「南方週末」が伝えた。

 チャイナ・ウオッチが6月19日付同紙記事の抄訳として伝えるところによると、同紙記者は、第一候補地とされる中国甘粛省北山地区を訪れ、2000年に最初のボーリングが行われて以来、現在までに掘った抗が19本であることを確かめた。「外国のある貯蔵施設絡みでは千本以上のボーリングを行っている」という核工業北京地質研究院のある人物の言葉を紹介して、中国で候補地選定作業が遅れている現状を明らかにしている。

 北山地区は、ゴビ砂漠の一角に位置し、2005 年に候補地として誤って報じられた同じ甘粛省の敦煌から東に約400キロ離れている。玉門市に属するが、市街地からは遠く、3万平方キロメートルの面積にわずか12,000人しか住んでいない。

 30年間、候補地探しに関わってきた核工業北京地質研究院の王駒副院長は「北山の地質条件はとても優れており、地殻運動の安定地区であり、花崗岩で覆われている。花崗岩は放射性に対処する最良の『防護服』だ」という見解を公表している。

 国防科技工業局のかねての計画では、2006-20年に研究開発と貯蔵施設の建設場所選定、21-40年に地下実験、41-21世紀半ばに貯蔵施設試作モデルの検証および貯蔵施設の建設―となっていた。

 しかし、王副院長も「現在の進展はとても遅い」と計画の遅れを認めている。

影の銀行対策で破産法を制定へ

2014年06月26日

 中国の中央銀行である「人民銀行」は25日、「金融機関破産条例」を制定することを明らかにした。チャイナウォッチが新華社電として伝えた。

 「影の銀行」などに密接に関わり、経営が悪化した銀行などに対して、破産を促し、金融市場の健全化を諮るため、「金融機関破産条例」の検討が始まった。

 人民銀行の劉士余副総裁は24日、全国人民大会(国会)常務委員会への報告で、「重大な違法行為があったり、経営不振で債務超過に陥った金融機関を市場から退出させる」と述べた。

 中国では地方政府や企業の過剰投資が、銀行の不良債権を増大させる要因となっている。銀行が代理販売した「影の銀行」の金融商品も収益率が悪化、債務超過に陥っている中小銀行も少なくないといわれる。

 破産条例の対象には、銀行以外の金融機関も含まれることから、適用の第一号は「影の銀行」と密接なつながりを持つノンバンクになるとの観測もある。

2020年に火星着陸目指す

2014年06月25日

 2020年に火星に探査機を着陸させる計画を中国の月探査プロジェクト首席科学者が明らかにした。

 チャイナ・ウオッチが中国紙「新京報」の報道として伝えるところによると、月探査プロジェクト首席科学者の欧陽自遠氏は23日、北京で開かれた国際的な天文学会で、中国が2020年に探査機を火星に着陸させ、30年には火星から岩石などのサンプルを回収するとの計画を明らかにした。

 中国は昨年12月、無人探査車を月面に着陸させることに成功。長期滞在できる有人宇宙ステーションの建設も目指しており、無人宇宙実験室との有人ドッキング実験を繰り返すなど、宇宙開発を進めている。

中国の「影の銀行」が「債務不履行」のリスク増大

2014年06月24日

 中国銀行業監督管理委員会の劉明康元主席は19日、中国の「影の銀行」(シャドーバンク)が「債務不履行」(デフォルト)に陥るリスクが高まっていると述べた。チャイナウォッチが新華社電として伝えた。

 劉氏は香港で開かれた資産管理業に関する会議に出席し、「中国本土では確かに「影の銀行」が存在し、債務不履行(デフォルト)のリスクが高まっている」と述べた。また「中央政府は地方政府に債務不履行に対する容認度を高め、市場に任せ、より秩序のあるものにしなければならない」と強調、金融業の市場化が必要との認識を示した。

 また「シャドーバンキング問題は透明性にかけ、また従来の銀行とも関連性があり、貸付金利を押し上げている」と指摘、在来の銀行業務の抜け道として利用されているとの認識を示唆した。

 さらに劉氏は中国本土の金融改革について、「秩序に従い徐々に進め、まず金利市場化を進め、徐々に為替レートの市場化を推進し、資本取引を自由化する必要がある」と述べた。

 中国は依然、資本取引の自由化には慎重な姿勢といわれている。

1日300以上の伝統的村落が消失

2014年06月23日

 都市化が進むことで、伝統的な村落が失われていることに危機感を持つ中国の民俗学者たちが保存を呼びかけている。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、中国民俗学会名誉会長で国家無形文化遺産保護専門家委員会副主任の烏丙安氏は「1日約300、改革開放が始まって以来これまでに500万以上の村落が消失した。新農村というとすぐにウォルマートやカルフールを誘致するが、それでも農村と言えるのか」と指摘した。

 村落や古い家屋だけでなく、祖先から受け継がれている風俗・習慣や隣近所文化、郷土に対する人々の思いまでが、粗放な都市開発で壊されている。近代化だからと言って、伝統的な村落をガラクタだ、貧困だと言ってすべて壊し、更地にして新しい農村を建設しなければならないということはない。中国式の近代化は古い民族的環境の中に近代的な物質条件をもたらすものであるべきで、世界中にマクドナルドがあるような近代化ではない...。

 そう指摘した上で烏氏は、急速な都市化で非常に多くの村落がすでに壊されてしまった遼寧省と、建物の外観を変えずに補強を行い昔からの姿を保っている小さな村が多い浙江省を例に挙げ、「都市化も歴史と文化を守るべきだ」と訴えている。

 昨年11月の中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で採択された「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」は、条件が合う農業移転人口を徐々に都市部住民としていく方針を盛り込むなど、都市化は不可避との考えに立っている。

半導体チップ、国外メーカーの独占が深刻化

2014年06月20日

 チャイナ・ウオッチが、新華社電(解説「業界動向」)として伝えるところによると、中国は昨年 3 万6,560 台の工業ロボットを調達し、初めて日本を抜いて世界最大の工業ロボット市場となった。

 国際ロボット連盟(IFR)が発表したデータから明らかになったことで、昨年世界の工業ロボットの 5 台に 1 台が中国に購入されたことに相当する。調達量は前年比で 60%近く増加している。日本は昨年 2 万 6,015 台調達しており、米国は第 3 位で 2 万 3,679台だった。

 IFR の報告は、中国が工業ロボットの調達量を増やしているのは、製造業者が賃金コストの上昇、その他新興経済体との競争激化などの影響を受け、新しい技術で生産性の向上を図る方針に転じたためとしている。

 経営コンサルタント会社ソリディアンスのアジア太平洋部門責任者ピラー・ディーター氏は、ロボット製造業は現在主に日本におさえられており、日本企業 6 社が中国市場のロボット販売額の半分を占め、中国のトップクラスのロボット設備メーカー4社は中国市場の 5%を占めるにすぎない、と語った。

 科学技術省高新技術発展・産業化司〈局〉の楊威武副司長によると、ロボット産業を発展させるため、昨年から科学技術省は、重点事業スマートロボット産業化プロジェクトを実施している。具体的にはまずロボットの科学技術研究開発と企業の需要を結びつけ、研究開発と企業の需要の開きが大きいというこれまでの問題を改める。

 現在、稼働中のロボットは日本が依然世界のトップで、2012 年には 31 万台に達した。一方中国、米国の同年の数字は 9 万 6,000 台と 16万 8,000 台だった。

半導体チップ、国外メーカーの独占が深刻化

2014年06月19日

 中国では半導体チップの国内市場が拡大しているものの、国産のチップのシェアが低く、セキュリティーのリスクが存在するとの議論が巻き起こっている。チャイナ・ウォッチが新華社電として伝えた。

 世界の半導体の市場規模は3200億ドルに達し、世界のチップの54%が中国に輸出されているものの、国産のシェアは10%程度にとどまっている。

 また世界の携帯電話の77%が中国製だが、国産チップの利用は3%足らずだ。中国のチップ産業は長期にわたって海外のメーカーに抑えられており、毎年2000億ドルのチップを輸入している。

 しかも技術的な制約により、中国の情報産業の発展が阻害されていると新華社は伝える。

 中国の専門家は、国外のチップメーカーが「トロイの木馬」タイプのウィルスをチップに仕込むことによって、データを盗んでいる可能性があり、ウィルスやマルウェアを通じて、中国のシステムを支配している可能性があると指摘している。

 安全保障面では、例えばチップに「バックドア」が設けられていれば、供給国であるアメリカと争いが生じた場合、アメリカはチップを通じて、安全保障上優位に立てると、専門家は指摘する。

 中国では主流のスマートフォンではアメリカのクアルコムやブロードコムなどのチップメーカーが供給しており、安全上のリスクが存在すると警告している。

習主席エネルギー長期戦略で決意示す

2014年06月18日

 中央財政経済指導小組(グループ)組長も兼ねる習近平国家主席は6月13日、同小組第6回会議を招集し、エネルギー戦略の実施を加速する決意を示した。

 チャイナ・ウオッチが新華社の解説記事として伝えるところによると、習氏はエネルギー生産と消費の革命を推進することは長期的戦略で、すぐに始め、重点任務と重大措置の実施を加速しなければならない、と強調した。 2030 年エネルギー生産・消費革命戦略を早急に策定し、「第 13次5カ年計画(2016~20 年)」のエネルギー計画を研究するとの決意も示した。

 第1に、エネルギー消費革命を推進し、不合理なエネルギー消費を抑制する。第2に、エネルギー供給革命を推進し、重層的な供給体系を構築する。第3に、エネルギー技術革命を推進し、産業の高度化をけん引する。第4に、エネルギー体制革命を推進し、エネルギー発展のハイウエーを通す。第5に、全方位的な国際協力を強化し、開放の条件の下でのエネルギー安保を実現する―というし5つの要求を打ち出している。

 昨年、中国の石油輸入依存度は 60%近くに達し、今年の原油純輸入量は米国を抜き世界第1位になるとみられる。天然ガスの輸入依存度は初めて30%を超えた。中国は石炭生産大国ではあるが、すでに石炭でも純輸入国となっている。同時にエネルギー消費構造のタイプ転換が遅く、スモッグ、水質汚染、土壌汚染など環境汚染問題にも直面している。世界の気候変動対応の話し合いの中で、中国は発展途上の大国として巨大圧力にさらされている。

 中国のエネルギー専門家からは、「エネルギー分野の市場化システムが完全には構築されておらず、民間資本参入のハードルが高すぎ、国有資本の競争力が弱く効率が低い」「中国のエネルギー分野の法律法規の欠如は深刻で、エネルギー法、石油天然ガス法、原子力法などが依然制定されず、石炭法と電力法は制定から長期間がすぎ、早急な改正が必要」「政府の監督管理方式を転換するには、これまでの事業審査・認可を主とするものから、戦略と計画で指導するものにしなければならない」といった声が聞かれる。

アリババが中国郵政と戦略協力=スマート物流構築へ

2014年06月17日

 中国の電子商取引最大手のアリババ集団と中国最大の物流会社、中国郵政集団公司(チャイナポスト)は12日、戦略的協力のための枠組み作りに向けた取り決めに調印した。チャイナ・ウォッチが新華社電として伝えた。

 アリババとチャイナポストは今後物流、電子商取引、金融、情報セキュリティーなどで全面的に協力し、スマート物流の中核的ネットワークを構築する。取り決めの目的は電子商取引と物流の協力で、双方は物流・倉庫、処理センター、配送などの分野で協力を進め、電子商取引の物流プラットフォームを構築する。

 またクロスボーダーのサービスシステムの構築も協力して行うとしている。

 調印式ではチャイナポストの李国華氏とアリババの馬雲(ジャック・マー)会長は、チャイナポストが握る都市と農村のネットワークを利用し、より多くの人々にネットショッピングを利用してもらえるよう協力すると強調した。中国のいかなる場所でも24時間以内の配送を目指す。

 またアリババの電子商取引のビッグデータを利用して、都市と農村の商材のマッチングをサポートし、快適なネットショッピング環境を年から農村に広げていくという。

 ジャック・マー会長は、これにより全国の物流を活性化し、中小企業の物流コストを下げ、消費者に利益をもたらすだろうと述べた。

 アリババは中国の電子商取引の80%を占める巨大企業で、今年6月にはアメリカでの株式上場を申請、資金調達学は150億ドルを越えると見られ、ハイテク関連企業としては米フェースブックを上回る最大のIPOとなる可能性があるという。

汚染物質排出企業は移転させず廃業に

2014年06月16日

 北京市は汚染物質を大量に排出する企業に対し、移転ではなく廃業を迫る強い姿勢で臨むことになった。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、6月10 日行われた京津冀(北京・天津・河北)および周辺地域エコ都市環境システムソリューションに関するシンポジウムで、北京市発展改革委員会の劉伯正委員は「北京市は汚染物質を大量に排出する企業、産業については移転ではなく、その場所で廃業させる」と述べた。

 北京市は、汚染物質の排出、エネルギーと水の消費が多い業種から積極的、自主的に撤退するよう奨励しており、先ごろ発表したガイドラインで、小規模なセメント、製紙、化学、鋳造、捺(なっ)染、電気めっき、板ガラスの7つを撤退奨励の重点事業に挙げている。

 北京市は年初に汚染物質排出料金の基準を引き上げ、企業に技術改造とエネルギー消費の削減を促した。今後、租税や排出料金などの経済手段を利用し、料金を引き上げるなどして、北京の発展段階と機能の位置づけに合致しない企業の廃業、撤退を促す。

 国家発展改革委資源節約環境保護司(局)の馮良・副巡視員は次のように述べた。

 京津冀地域の環境問題は生態環境の許容が限界に達していることを示すもので、産業の高度化、環境整備の強化、エコ空間の拡大によって京津冀地域の発展基盤を固めなければならない。

 北京市環境保護局大気汚染総合対策協調処の李立新処長は「長期的にみて、京津冀および周辺地域の大気汚染問題を解決するには共同で対策に取り組み、環境保護基準を徐々に統一する必要がある」と指摘した。

 チャイナ・ウオッチは5月中旬、北京市は大気汚染物質を排出する企業300社に、今年10月末までに移転か廃業を求めている、と伝えた。

李首相イノベーションの重要性強調

2014年06月13日

 李克強中国首相が中国科学院と工程院で行った報告の中で、経済成長の鍵がイノベーションと人材の活力引き出しにあることを強調した。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、李克強首相は6月10日、中国科学院第 17 回院士(会員)大会・中国工程(工学)院第 12 回院士大会で経済情報報告を行った。

 李首相はこの中で、中国は依然最大の発展途上国で依然長期間、社会主義の初級段階にあり、発展が常に第一に重要な任務である、との現状認識を示した。経済の中高速成長を維持する鍵は革新(イノベーション)駆動に依拠することにあるとし、世界の先端技術に照準を合わせ、基礎研究と応用研究の二つの分野の両方で力を発揮し、基幹、中核(コア)技術を掌握することが必要だとしている。科学技術研究の成果を現実の生産力に変え、中国の産業を国際競争の新たな頂点に押し上げ、新興の業態を生み出し、大きくし、新たな市場需要を拡大する、との決意も示した。

 体制の刷新にも触れ、技術革新の効率を高め、さまざまな体制・仕組みの障害を突破し、市場が革新資源の配分を決めるようにする、としている。より多くの企業と民間資本が研究開発に資金を投入するよう導き、資金使用効率を高めるとも語った。

 人材、特に若い人材の革新活力を十分引き出すことの重要性も強調し、人材の成長とその才能の発揮を妨げるさまざまな障害を一層排除し、未知を模索し、真理を追究する科学の精神を発揚し、失敗に寛容で、革新を奨励する好ましい雰囲気を奨励する、と語った。

大メコン圏会議展覧企業連盟、昆明に設立

2014年06月12日

 大メコン圏(GMS)国家と地域の会議展覧企業の協力を強化することを目的としたGMS会議展覧企業連盟が7日、昆明に正式設立された。チャイナウォッチが新華社電として伝えた。

 GMSビジネス理事会の下部組織であるGMS会議展覧企業連盟は、会議展覧業におけるGMS国家の協力を促す民間地域国際協力非営利組織で、中国東南アジア諸国連合(ASEAN)自由貿易圏の枠内でGMS国家と地域の会議展覧企業の協力を強化、協力を進めるきずなを構築、さまざまな会議や展覧会を主催、地域経済の成長と社会の繁栄を促すことが同連盟の目的。

 GMSビジネス理事会の戴傑・秘書長は次のように述べた。GMSの協力が深まるのにともない、GMS各国の会議展覧企業が協力を進める需要は拡大しているが、中国ASEAN自由貿易圏とGMS経済協力の枠組みには会議展覧業の利益を代表する非政府組織(NGO)がなく、会議展覧企業がGMS経済協力に参加する潜在力は十分に引き出されていない。GMS会議展覧企業連盟の設立は中国ASEAN自由貿易圏とGMS経済協力分野にみられる不足を補うことになり、会議展覧業における長期的で効率の高い実務協力を促す仕組みを構築することになる。

 GMS会議展覧企業連盟は同日、第1回総会を開催、総会に出席したカンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、中国の 20 あまりの企業の代表が次の段階でGMSが取り組む活動について合意した。

 第6回GMS経済回廊週間・GMSビジネス理事会第5回会議も同日、昆明で開催され、関係国政府とビジネス界の代表250人あまりが出席した。「投融資チャンネルの開拓と協力のバージョンアップ」が今会議のテーマで、会議期間中に「GMS金融サミット」や「GMS産業協力会議」も開催された。

昨年の中国国産映画総興行収入54%増

2014年06月11日

 中国の国産映画による2013年の総興行収入は前年に比べ54.32%増え、127 億 6,700 万元(約2,000億円)となった。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、中国の映画産業は文化体制改革の推進、深化で製作能力が日増しに向上し、質も高く観客の入りも良い優れた国産映画が数多く製作された。新聞出版ラジオ映画テレビ総局のデータによると、2013 年に製作された作品は劇映画が 638 本、アニメが 29 本、ドキュメンタリーが 18 本、科学教育関係が 121 本、特殊映画が 18 本。劇映画の製作数は前年に比べ 120 本前後減ったが、質と収益は大幅に向上し、興行収入が1億元を超えた国産映画は 33 本と前年より 12 本多かった。

 新聞出版ラジオ映画テレビ総局の張宏森局長は次のように話している。今年に入ってハリウッド映画の激しい攻勢に対しても国産映画は冷静に対応し、「帰来」「ブラック・コール、シン・アイス」(原題=白日焔火)などの作品は芸術としての映画を革新的に模索、追求し、娯楽作品が主流の市場で素晴らしい業績を挙げた。2001 年末に「映画配給上映改革実施細則」が発表されたのを受け、映画館チェーンと映画館建設はすでに急発展の段階に入っている。チェーン加盟映画館は 2002 年に 872 館、1,581 スクリーンだったが、2014 年4月には 4,545 館、2万 285 スクリーンと増え、それぞれ 4.2 倍と11.8 倍になった。中でもIMAXの大型スクリーンは 2003 年にわずか1スクリーンだったのが、2014 年4月には 146 スクリーンまで増えた。

 中国の映画産業の加速度的発展の勢いは、今年も続いている。外国映画を含めた総映画興行収入が 100 億元を超えた日を見ると、今年は5月 21 日で、昨年の6月19 日、一昨年の8月に比べ、年々早まっていることを示している。

 (注)日本映画製作者連盟の発表資料によると、2013年に日本国内で公開された映画本数は1,117本(うち日本映画591本)、興行収入は約1,900億円(うち日本映画約770億円)で、映画館数は3,318。興行収入が1億元に相当する17億円を超した作品は、トップの「風たちぬ」(約120億円)以下、23本となっている。

AKB総選挙、中国票が結果を左右・・・?

2014年06月10日

 アイドルグループAKB48の「選抜総選挙」で、1位となった渡辺麻友さんが獲得した15万9854票のうち、3万5000票あまりは中国のファンによる投票だった。チャイナウォッチが中国の新聞「新京報」の報道として伝えた。

 中国票は結果を左右する決定的な役割を果たしたと「新京報」は報じている。渡辺さんを支持する中国のファンはインターネットを通じて180万元(約2900万円)の資金を集め、日本にいる仲間が投票権付きのCDを購入、中国から投票したという。

 AKBは中国でも人気が高く、公演や握手会を開いているほか、上海版の「SNH48」も結成された。新京報は「会いにいけるアイドルという手法が成功している」と評価した。

起業・就業促進で新たな行政簡素化措置

2014年06月09日

 起業・就業を促進するための一層の行政簡素化・権限委譲措置が、中国国務院常務会議で決まった。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、李克強首相は6月4日、国務院常務会議を招集し、新たに計 52 の行政審査・認可事項を廃止または移管することを決めた。

 そのうち「小企業・零細企業の所得税優遇のための審査・許可」、「一時帰休・失業者受け入れが所定の条件に達したサービス型、商業・貿易企業および個人経営に従事している一時帰休・失業者に対する減免税の審査・認可」など投資・起業に関わる 34 の審査・認可事項〈の廃止・移管〉は、不必要な中間段階を減らし、優遇政策を徹底させ、市場の活力を引き出す効果を狙っている。

 また「大学博士課程研究基金審査・認可」など、事業体、社会組織の業務に関わる 10 の審査・認可事項〈の廃止・移管〉は、大学の運営・研究の自主権を拡大し、研究のイノベーション促進を狙ったものだ。

 さらに資格に関わる8つの審査・認可事項〈の廃止・移管〉で、開業のハードルを引き下げ、就業の拡大を図っている。

マイクロソフトがサイバー攻撃協力否定

2014年06月06日

 米中両国が互いにサイバー攻撃批判をしている中、米マイクロソフトの中国法人は6月5日、サイバー攻撃に協力したことはないとする声明を公表した。

 チャイナ・ウオッチが共同通信電として伝えるところによると、声明は「いかなる政府による(サイバー)攻撃にも協力したことはない。すべての顧客のデータを守る」としている。

 中国メディアによると、中国当局は5月、政府機関がパソコンを新規購入する際にはマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」を搭載しないよう求める通知を出した。マイクロソフト製品を通じて情報が漏れるとの疑念からだが、声明は「国家の安全を理由に米国政府に顧客の情報を提供したことはない」と反論している。

 米司法当局は5月に、中国人民解放軍に所属する5人を米企業へサイバー攻撃したとして起訴した。

 一方、中国国家インターネット緊急対応センター(CNCERT)は3月、中国のネットワークは海外からのサイバー攻撃の脅威に直面しているという報告書を公表している。昨年、海外のホストコンピュータによって遠隔操作された中国国内のウェブサイトは6万1,000に上り、このうち、最も多かったのが米国のホストコンピュータによるもので、1万5,349のウェブサイトが不正操作された、と米国を非難していた。

中国のゲーム市場を狙ってソニーと上海メディアグループが提携

2014年06月05日

 ソニーグループの索尼有限公司と上海東方明珠有限公司のグループ会社である上海東方明珠文化発展有限公司は、上海自由貿易区に合弁会社を設立する契約を結んだ。チャイナウォッチが新華社・共 同電として伝えた。

 新しい合弁会社は、ソニーのプレーステーション(PS)のハードとソフトの生産と販売、及び関連サービスなどの業務にあたる。

 合弁会社は政府のコンテンツ産業育成策に基づき、中国の国情と好みに適した、良質で健全なゲーム製品を提供する。

 また国内のゲーム開発会社と連携して、オリジナルソフトの研究開発を進め、1000億元といわれる中国ゲーム市場でのバリューチェーンを完全なものとするとしている。

 上海自由貿易区では、中国国内のゲーム開発が解禁されており、すでにマイクロソフトと百視通がXbox Oneを市場に投入している。今回のソニーと上海メディアグループの提携で、P Sが中国市場に投入されるのは時間の問題と見られている。

 ゲーム市場は裾野が広く、ハードの部品提供会社などが利益を得るほか、ゲームソフト開発会社が大きく伸びる可能性を秘めている。

一人っ子政策見直しで出生数1千万人増も

2014年06月04日

 中国国家衛生計画出産委員会の幹部が、一人っ子政策の緩和策により、5、6年間で1千万人の出生増も、という見通しを明らかにした。

 チャイナ・ウオッチによると、中国国家衛生計画出産委員会の楊文庄末端指導局長は6月3日記者会見し、夫婦のどちらか一方が一人っ子であれば第2子を出産できる緩和策が中国全土で実施された結果、出 生数は実施しない場合と比べて今後5、6年で約1千万増えるという見通しを語った。

 一人っ子政策の緩和は、昨年11月の中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で採択された「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」に盛り込まれた。楊 氏によると、全国31の省・直轄市・自治区のうち29で、5月末までに緩和策が実施された。チベット自治区はもともと規制が緩く、新疆ウイグル自治区では事前に緩和措置が取られたという。

 国家衛生計画出産委員会によると、中国の総人口は2030年前後にピークの約14億6千万人に達する見通し。一方、労働年齢人口(15~59歳)は、12年に前年比で初めて減少に転じ、2 3年以降は毎年約800万人減少すると予測されている。

 楊氏は高齢化や若年層の男女比率不均衡などのひずみも指摘し、緩和策導入について「適切なタイミングでの調整だ」と述べた。

中国の2013年公務員採用20.4万人=中央が1.9万人

2014年06月03日

 中国の昨年の公務員採用人数は20万4000人で、うち中央機関およびその直属機関が1万9000人、地方が18万5000人だった。人的資源・社会保障省が28日発表した「2013 年度人的資源・社 会保障事業発展統計公報」で明らかになった。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、昨年は新規採用の公募制度実施率が90%に達し、ほぼ全国で基本的に行われ、公務員採用の民主、公開、競争、優 秀者選抜制度の枠組みが一応確立された。

 「公報」によると、昨年末までに海外留学からの帰国者総数が144万5000人に達し、うち昨年が35万4000人で、前年を29.5%上回った。昨年末現在、中 央政府の特別手当てを受ける専門家として累計で16万7000人が選ばれ、うち高度技能人材が1286人となっている。

 またポスドク科学研究ステーションの総数が2773カ所、ポスドク科学研究流動ステーションが2703カ所に達し、昨年、ポスドク研究者1万4000人の募集が行われた。

中国人留学生帰国者140 万人超す

2014年06月02日

 改革開放政策が始まった1978年から昨年末までに外国に留学した中国人留学生のうち、帰国した人の総数が144万4,800人に達した。

 チャイナ・ウオッチが新華社電として伝えるところによると、1978 年から 2013 年末までの間に外国に留学した中国人留学生の総数は 305 万 8,600 人、帰国者総数は 144 万 4,800 人に達した。外国にとどまっている留学生は 161 万 3,800 人で、うち 107 万 5,100 人は外国で関連の学業あるいは研究に従事している。

 改革開放政策が中国史上、規模、分野、範囲とも最大の留学ブームと帰国ブームを巻き起こした結果で、教育部関係者は「改革開放事業の発展、総合国力の向上、近代化に必要な人材需要の拡大にともない、留 学生と帰国者の数は増え続けるだろう」と語っている。

 中国政府は、海外人材の呼び戻し政策として「千人計画」を2008年に始めた。2011年10月東京で開催された「第2回日中大学フェア&フォーラム」の シンポジウムで特別講演した戴争鳴中国教育部留学服務中心投資処長によると、国家重点プロジェクト学部リーダーの81%、中国科学院士の81%、中国工程院士の54%、重点的大学学長の77%が ,帰国した元留学生で占められている。さらにNASDAQ に上場している中国のハイテク企業のうち、80%は元留学生が起こした企業、と戴処長は「千人計画」の実績を語っていた。

「千人計画」